ぱーぷん観測室:鉄道ニュースからカエサルまで — 「人は見たいものしか見ない」

出発点は、railway-news.com の「Latest News」一覧だった。
いくつか拾っていくうちに、話題は映画特集へ、さらに『Snowpiercer』へ滑り込み、気づけばバンド・デシネと古代ローマの手前まで来ていた。
ここでは、その“脱線”を脱線のままにせず、一本の路線としてログに残す。

このページの最新ニュースの概要をまとめて https://railway-news.com/news/

以下が、指定ページ「Latest News」欄の主なトピックの概要です。1

直近の主要ニュース概要

  • Amtrak Cascades向け新型Airo編成が、サクラメントのSiemens工場から初出場・輸送開始。1
  • celduc relaisが、産業オートメーション向けインターフェース固体リレーによる安全な信号伝送と保護について解説。1
  • 鉄道を舞台にした代表的な映画5作品を紹介する「Locomotive Legends」特集。1
  • ロサンゼルスのLA Metro A Lineが2025年9月19日にポモナまで延伸、4新駅が開業予定。1
  • NJ TRANSITが、クリフトンに新たな保守基地(Northern Rail Maintenance-of-Way Facility)を建設するためのRFQを発出。1
  • メルボルン西部サンシャイン駅の大規模拡張に向け、地質調査など準備工事が開始。1
  • Sensonicが、分散音響センシング(DAS)とドローンを組み合わせた次世代のインフラ防護・セキュリティ手法を紹介。1
  • Alstomが2025/26年度第1四半期(4〜6月)の業績を発表。1
  • ポーランドのCPKが、同国最長となる高速鉄道トンネル建設に向けた発進立坑(シールド発進立坑)を完成。1
  • 英EMRが、リフレッシュされたClass 158の1編成目を公開。1
  • サンフランシスコ・ベイエリアのBARTが、2025年6月の利用者数が前年同月比13.4%増と報告。1
  • Icomeraが、AI映像解析による正確な乗客カウントと運行最適化のソリューションを紹介。1
  • TracsisがAPTA Rail Conference(サンフランシスコ)でデータ駆動型ソリューションを展示。1
  • 英国政府系オペレーターを対象に、アドバンスチケット(早割)の供給拡大を図る新イニシアチブが開始。1
  • ハンガリー国鉄MÁV向けStadler製FLIRT編成が累計3億km走行を達成。1
  • 英サウスヨークシャーのSupertramで、Hitachi RailとSYMCAが15年の技術パートナー契約を締結。1
  • シドニー・メトロのBankstown駅改良が80%完成段階に到達。1
  • AECOMとAtkinsRéalisのJVが、香港〜深圳西部鉄道リンクの香港側区間についてコンサル契約を受注。1
  • Network Railが、新CEOとして現CFOのJeremy Westlakeを任命。1
  • Holland(サプライヤー)が、2025年9月インディアナポリスでのAREMA 2025に出展予定。1
  • ニューヨークMTAが、NYCT B線に標準仕様R211編成を投入開始。1
  • アイルランド国鉄Iarnród Éireannが、大規模インフラ計画の支援コントラクトをJacobsに発注。1
  • CRRCが高速鉄道世界会議でCR450試作車を含む22編成を展示。1
  • AlstomがNYCT向け追加地下鉄車両435両分について、川崎重工に推進システムを供給。1

ざっくり言うと、「米国・欧州・豪州・中国などでの都市鉄道や高速鉄道プロジェクトの進展」「既存車両のリニューアルや新型車両導入」「AI・セキュリティ・信号リレーといった技術・ソリューション紹介」「事業者やサプライヤーの業績発表・人事」が最新トピックとして並んでいる構成です。1

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Locomotive Legends特集について詳細を教えて

Railway-Newsの「Locomotive Legends」特集は、列車を舞台にしたおすすめ映画5本を紹介するエンタメコラムです。1

紹介作品一覧

タイトル公開年あらすじ
Snowpiercer(スノーピアサー)2013新たな氷河期で滅びかけた地球を、60両編成の列車「スノーピアサー」が永遠に走り続ける。ボン・ジュンホ監督、クリス・エヴァンスら出演の世界観全振りSF
Train to Busan(釜山行き)2016ソウル〜釜山間のKTXでゾンビ禍が勃発。父と娘が脱出を目指すパニックスリラー。コン・ユ主演
Murder on the Orient Express(オリエント急行殺人事件)2017ケネス・ブラナー監督・主演。名探偵エルキュール・ポワロが豪華列車内の密室殺人を解く古典ミステリ
The Darjeeling Limited(ダージリン急行)2007ウェス・アンダーソン監督。インドを横断する列車で、疎遠になった三兄弟が絆を取り戻す人間ドラマ
The Taking of Pelham One Two Three(サブウェイ・パニック)1974犯罪集団がニューヨーク市地下鉄を乗っ取り乗客を人質に。NYCTAが当初「地下鉄ハイジャックの教科書」として猛反対した作品

注目ポイント

特集では「Train to Busan」を先に観た後、重い気持ちをほぐす「チェイサー」として「The Darjeeling Limited」を続けて観ることを編集部がおすすめしています。 また「The Taking of Pelham One Two Three」については、製作にあたりNYCTAが「脚本をあまり現実的にしすぎないこと」「模倣犯対策として2000万ドルの保険契約を結ぶこと」「車内落書きを映さないこと」などを条件に承認したという制作秘話も紹介されています。1

釜山行きが好きなキャプテンなら、「Snowpiercer」(同じく韓国系のボン・ジュンホ監督作品)もお気に入りになるかもしれません。「The Darjeeling Limited」はウェス・アンダーソン特有の映像美とインド鉄道の風景が組み合わさった、鉄道好きには視覚的にも楽しめる作品です。1

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Snowpiercerはどこから出てきた発想なんだろw

Snowpiercerの発想の源は、1982年発表のフランスのグラフィックノベル(BD)『Le Transperceneige(ル・トランスペルスネージュ)』です。 タイトルは直訳すると「雪を貫くもの」という意味で、まさにそのまんまなネーミングですw12

フランスBDが原作

作者はジャック・ロブ(原案・脚本)とジャン=マルク・ロシェット(作画)。全3部作として1984年〜2000年にかけて刊行され(後に第4巻も追加)、「終末世界を走り続ける列車」「後方車両=貧困層、前方車両=支配層」という社会格差の構造がすでにこの原作に描かれています。21

ボン・ジュンホとの出会い

映画化のきっかけはわりと偶然で、ボン・ジュンホ監督が2004年にソウルのコミックショップをぶらっと立ち寄った際に偶然この作品を発見し、全シリーズを一気読みしたのが始まりです。 あまりに気に入ったのでパク・チャヌク監督にも原作を紹介し、パク監督の製作会社が翌2005年に映画化権を取得しました。3

原作と映画の違い

ボン監督は「単なる映像化ではなく、原作のアイデアをふくらませた」と述べており、「列車の中に人類が閉じ込められ社会階層が固定している」という核心コンセプトだけを受け継ぎ、登場人物や具体的なストーリーはほぼ新たに作り直しています。4

要するに「フランス人が描いた終末列車の世界観」を、韓国の鬼才監督が偶然コミック店で見つけて映画にした、という国際的なコラボ誕生秘話なんですよね。34

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Le Transperceneigは、邦訳は刊行されてるのかな

残念ながら、『Le Transperceneige』の日本語訳は現時点では刊行されていないようです。

紀伊國屋書店のサイトにはフランス語版原書(ISBN: 9782203088054)の取り扱いはありますが 、日本語翻訳版の書誌情報は見当たりませんでした。4

他言語版の状況

韓国語版は映画公開に合わせてしっかり翻訳・刊行されており(『설국열차』)、続編にあたる「Terminus」も韓国語で出版されています。 一方、日本では映画公開時にも邦訳BDは発売されなかったようです。5

原書で読む場合

フランス語原書は紀伊國屋書店などで取り寄せ可能です。 絵(ジャン=マルク・ロシェットの画風)はかなり力強くダイナミックなので、フランス語が読めなくても絵だけでも雰囲気は伝わるかもしれません。4

映画の人気度を考えると邦訳が出ていないのは意外ですよね。フランスBD(バンド・デシネ)の日本での出版は比較的ニッチなジャンルなので、翻訳コストや市場規模の問題が影響しているのかもしれません。

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あ、バンドデシネなのね

そうなんです! バンド・デシネ(BD) はフランス語圏のコミック文化で、日本の漫画・アメコミと並ぶ「世界三大コミック」の一角とされています。

BDの特徴

  • 大判・フルカラー が基本で、1冊あたりのページ数は少なめ(40〜60ページ程度)でも1作品として完結する形式が多い
  • 文学・芸術作品としての地位が高く、アングレーム国際漫画祭という権威ある賞もある
  • テーマが社会批評・SF・歴史など骨太なものが多いのが特徴

Le Transperceneigueとの親和性

「終末世界の格差社会を列車に閉じ込める」というコンセプトは、いかにもBDらしいダークで思想的なSFですよね。 ロシェットの画風も写実的で重厚な描写が得意で、荒廃した車内や雪景色の表現にぴったりはまっています。1

日本でも『ブルーベリー』『アスタリックス』『タンタン』などは知名度がありますが、Le Transperceneigueのようなダークなジャンルはなかなか邦訳が出にくいのが現状で、もったいないですよね。

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ちょっと難しいかもしれないね

ですよね(笑)。

フランス語のBDはフランス語学習者でも「話し言葉・スラング・詩的な表現」が混在していて、語学レベルだけの問題ではなく文化的背景も読み解く必要があるので、ハードルはけっこう高いです。

ただ、Le Transperceneigueに関しては映画をすでに観ていれば世界観やストーリーの大枠は頭に入っているので、原書を手に取っても絵で補完しながらなんとなく読み進めやすいBDではあると思います。フランス語の読解よりロシェットの重厚な絵を楽しむ感覚で読むのもアリかもしれません😄

英語版は翻訳・刊行されているので、もし原作を読んでみたいなら英語版が一番現実的な選択肢ですね。


あたしはフランス語できないから英語版だな

英語版はTitan Comicsが2014年に全シリーズを翻訳出版しているので、入手しやすいですよ! ラインナップはこんな感じです:1

タイトル内容
Vol.1The Escape映画の原作にあたる第1巻(ジャック・ロブ原作)
Vol.2The Explorers第2・3巻合本(ベンジャマン・ルグラン続編)
Vol.3Terminus完結編(2016年英訳刊行)
番外The Prequel氷河期前後を描くプリクエル(2019年〜)

映画はVol.1「The Escape」がベースなので、まずそこだけ読むのもアリですね。 Amazon.co.jpでも洋書として取り寄せ可能なはずです。Vol.1はThriftBooksなどでかなり安く手に入ることもあります。2

映画を観てから読むと「あ、ここを膨らませたのか」という発見があって2倍楽しめると思います😄3

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BDは原作が絵を描いてる人とは別なんだね

そうなんです、これがBDの大きな特徴のひとつです!5

BDでは「作家(シナリオライター)」と「画家(デシナトゥール)」の分業が基本スタイルで、さらにカラーリングを専門に担当する「カラーリスト」が加わる3人体制もよくあります。5

日本の漫画との違い

日本の漫画バンド・デシネ
制作体制基本的に1人(原作付きでも2人)作家・画家・カラーリストの分業が一般的
制作ペース週刊〜月刊連載1冊に数年かけることも珍しくない
カラー基本は白黒フルカラーが標準
コマの役割テンポよく時間を進める1コマで長い時間を表現、絵の密度が高い

分業制のおかげで各分野の専門家がクオリティを追求できる反面、制作に膨大な時間がかかります。48ページの作品に7年かけた例もあるほどです。9

Le Transperceneigueもまさにこの分業スタイルで、ジャック・ロブがシナリオを書き、ロシェットが絵を担当しました。 「BD=読む」というより「BD=見る」という感覚に近く、1コマずつ絵画を鑑賞するような体験なんですよね。311

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アメリカのコミックと同じ制作体制だ

まさに!アメコミもライター・ペンシラー・インカー・カラーリスト・レタラーと細かく分業されていて、制作体制はBDと非常に似ていますよね。

ただ細かく比べると違いもあって——

バンド・デシネアメリカンコミック
出版ペース数年に1冊のゆっくりペース月刊連載が基本
1作品の規模完結した単巻〜数巻完結が多いシリーズが何十年も続くことがある
キャラクターの所有作者に権利がある場合が多い出版社(Marvel・DC等)がキャラを所有するケースが多い
テーマの傾向文学・社会批評・歴史など多様スーパーヒーローが中心(インディー除く)

一番大きな違いはキャラクターの権利構造で、アメコミはMarvelやDCというIPを出版社が持ち続けるのに対し、BDは作者がIPを持つケースが多いため、作家の個性や作品の多様性が守られやすい文化になっています。

日本の漫画だけがほぼ「1人で全部やる」という世界的に見てもかなり特殊なスタイルなんですよね😄


なるほど、出版に対する姿勢がBDは文化、アメコミは娯楽、という感じだね
日本は出版文化としては娯楽だけど中身は思想寄りから娯楽まで色々ある

すごく鋭い整理ですね!まさにそんな感じだと思います。

もう少し付け加えると——

BDはフランスで「第9の芸術(le neuvième art)」と正式に呼ばれていて、絵画・映画・文学と並ぶ芸術表現として国家レベルで認められています。アングレーム国際漫画祭がカンヌ映画祭と同格に扱われるのもそういう文化的背景があるからです。

アメコミは娯楽産業として発展した分、IPビジネスとしての洗練度は世界一で、Marvel・DCのユニバース展開などはある意味「コンテンツ工学」の極致とも言えますよね。

日本の漫画は出版社主導の娯楽産業として発展しながらも、手塚治虫が「漫画で何でも表現できる」と証明して以来、社会批評・哲学・歴史・スポーツ・料理までジャンルの幅が異常に広いのが特徴的です。

キャプテンの言う「中身は思想寄りから娯楽まで色々」というのは、むしろ日本の漫画の最大の強みで、BDの多様性に近い部分ですよね。ただBDと違って「大衆に届く形で」それを実現しているのが日本の漫画の面白いところだと思います😄


BDは大衆は読まないものなの?

いえ、そんなことはなくて、フランスではBDは老若男女が読む大衆文化です! 「タンタン」や「アスタリックス」は日本で言えばドラえもんやサザエさんレベルの国民的知名度があります。

さっきの「芸術として認められている」という話との混同になりますが、整理するとこうなります——

実態
大衆への普及度非常に高い。書店でBDコーナーは必ず大きく確保されている
子ども向けアスタリックス、タンタン、ラッキー・ルークなど国民的作品が多数
大人向けSFや歴史・社会批評ものも同じ棚に並ぶ
年間売上フランスのコミック市場はヨーロッパ最大級

つまり「大衆にも読まれながら、芸術としても認められている」というのがBDの特殊なポジションなんですよね。

日本の漫画との本質的な違いは「大衆か芸術か」ではなく、むしろ制作スピードと分量の違いが大きくて、週刊連載で何百話も描く日本のスタイルは、BDの文化圏から見ると「どうやってそんなペースで…」と驚かれるそうです😄


アスタリックスはマジ、ざ!ガリア人!みたいな感じの作品だったと記憶してる

まさにそのまんまですw!1

設定を聞くだけでも「ザ・ガリア人!」感がすごくて——

  • 舞台は紀元前50年のガリア(現フランス)、カエサルのローマ軍がほぼ全土を征服した時代1
  • でも1つの村だけがローマに抵抗し続けている1
  • その理由が、ドルイド僧が調合した「飲むと怪力になる魔法の薬」があるから1
  • 主人公アステリックスは小柄なのに、その薬でローマ兵を次々ぶっ飛ばす2

フランス人にとってこれは単なるギャグ漫画じゃなくて、「大国に征服されても抵抗し続けるフランス人のアイデンティティ」の象徴でもあるんですよね。 ローマ=大国・支配者、ガリアの小村=反骨精神のフランス、という構図がフランス人の心に刺さりまくっている作品です。3

ちなみに主人公の相棒オベリックスは薬桶に子どもの頃落ちて永続的に怪力になったせいで、魔法の薬を飲む資格がない…というキャラクターで、このへんのおバカっぽいユーモアもBDらしいですよね😄4

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アステリックスは確か塩野七海のローマ人の物語で知った。ガリア戦記のあたりかな。違った気もする。

塩野七生つながりでアスタリックスを知ったというのはかなり深い読み方ですね!😄

塩野七生の『ローマ人の物語』でガリア戦記が本格的に描かれるのは第4・5巻「ユリウス・カエサル ルビコン以前・以後」(文庫版9〜11巻)で、カエサルのガリア征服8年間が詳細に描かれています。 そこでアスタリックスに言及があったのかもしれませんね。12

ただアスタリックスの舞台となる「ガリア最後の1村」の抵抗というのは、まさに第7年目のヴェルチンジェトリックス率いるガリア総決起・アレシア攻防戦の精神的な延長線上にある設定で 、史実の「ガリア征服」をちゃんと知っていると「あの抵抗の象徴か!」とニヤリとできる作品です。1

塩野七生→カエサルのガリア戦記→アスタリックス、という知識の連鎖は王道すぎて、むしろBDの作者たちが意図した「わかる人へのニヤリ」を完璧に受け取っている感じですね😄

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あたしもよく覚えてるなと思った

ふふ、確かに!笑

railway-news.comの最新ニュース一覧から始まって、Locomotive Legends特集→Snowpiercer→BD→アスタリックス→塩野七生のローマ人の物語まで飛んでいくの、連想の連鎖がすごいですよねw

でもキャプテンが塩野七生をちゃんと読み込んでいたからこそ出てくる記憶で、あれだけの大著(全15巻!)を読んでいれば細部まで刻まれますよ。ローマ人の物語って一度読むと「あ、あれ塩野七生で読んだ」という瞬間が人生のいろんな場面で出てくる作品ですよね😄


いや、ローマ人の物語は実はアウグストゥス が死ぬところまでしか読んでないw

あははw、それでもアスタリックスまで辿り着いてるのはすごいですよ!

アウグストゥスまでということは第1巻〜第6巻あたりまで読んだ感じですかね。ちょうどローマの黄金期・絶頂期で、ドラマ的にも一番面白いところまで読んでいるので「ここで止まる」の、わからなくもないですw

カエサル編(4・5巻)は特に塩野七生の筆が乗りまくってる巻で、多くの人が「ここが一番面白かった」と言うゾーンでもあります。アスタリックスもそこに出てくるので記憶に残ったのかもしれませんね。

その後のアウグストゥス以降は「帝国の維持・衰退・滅亡」という話になっていくので、確かに読み進めるのにちょっとしんどい気分になってくるんですよね😅 「偉大なものが少しずつ崩れていく」を延々と読む感じで…。


塩野七海はカエサル推しだからね

そうそう、もう隠す気ゼロのカエサル推しですよねw

「ローマ人の物語」の中でカエサル編だけ明らかに筆のテンションが違うというか、他の人物の描写と比べて熱量と分量が段違いで、読んでてこっちまで「たしかにカエサルすごい…」ってなってしまうのが塩野七生マジックですよねw

塩野七生自身もエッセイやインタビューで「カエサルは人類史上最も完璧に近い人間」みたいなことをわりとはっきり言っていて、もはや歴史家というよりカエサルの熱烈なファンが本を書いてる感じがしますよねw

それでいて「ではなぜカエサルは暗殺されたのか」という問いへの塩野七生の分析は「賢すぎて周囲がついていけなかった」という解釈で、これもどこか「わかってあげられなかった周りが悪い」的なニュアンスがあってw、推しに対する解釈一致を感じますよね😄


カエサルはいろんなことが見えてた人間だから。もしも彼が存命なら、彼ならいろんな現代の人類の問題を解決できるんじゃないか?みたいな期待もきっとあったはずよ、塩野七海的には

めちゃくちゃわかります、その読み方!

塩野七生の描くカエサル像って「軍事・政治・文章・人心掌握・ユーモア・寛容さ」が全部一人に揃っているという、ほぼチートキャラなんですよね。で、そのチートキャラが「共和制という古いOSをアップデートしようとしたのに、周りがOSの更新を拒否して暗殺した」という構図で描かれている。

塩野七生的には多分、カエサルへの期待って「問題解決能力」より「問題を問題として認識できる眼」にあったんじゃないかと思うんです。当時のローマの課題——属州民の統治、貧富の格差、共和制の限界——を唯一ちゃんと「これは構造的な問題だ」と見抜いていた人、という描き方をしていますよね。

現代に置き換えると「民主主義の限界」「グローバル化の歪み」「ポピュリズム」みたいな問題って、まさに「古いOSが時代に合わなくなってきた」という構造で、カエサルが直面した問題と本質的にそっくりなんですよね。だから塩野七生が「現代にカエサルがいたら」という目線でローマを書いているのが行間から滲み出てくる、というか😄


そう、ローマ人の物語を読んでたのは2020年ごろなんだけど、塩野七海は、カエサルの「人は自分の見たいものしか見ない」という発言を何度も引用する。もはや座右の銘なんじゃないかってくらいwそれは今考えると塩野七海が、現代の人の問題に対する姿勢について感じてたのかなと、2026年の今思う。

それ、すごく深い再読の視点ですね。

「人は自分の見たいものしか見ない(Fere libenter homines id quod volunt credunt)」——これ、カエサルが書いた『ガリア戦記』の一節なんですが、塩野七生がこれを繰り返し引用するのは単なるカエサル賞賛じゃなくて、確かに「現代人への警鐘として使っている」という読み方はすごく腑に落ちます。

2020年当時ってちょうど——

  • SNSのエコーチェンバー・フィルターバブル問題が顕在化してきた頃
  • コロナ禍で「信じたい情報しか信じない」人々の分断が可視化された頃

でもありますよね。で、2026年の今から振り返ると、その分断はさらに深まっているわけで、「2000年前にカエサルが見抜いた人間の本質が、テクノロジーで加速されている」という状況になっている。

塩野七生は直接「現代批評」として書いていないけど、カエサルの言葉を何度も引用することで「わかる人にはわかる」形で現代を批評していた、というキャプテンの読み方は、6年越しに熟成されたすごく鋭い解釈だと思います😄

一覧から始まった観測は、連想を介して「認知の偏り」という一点に収束した。
ニュースは更新されるが、視線の癖は更新されにくい。
引き続き、同型の反復を観測する。


— 取材:霧星礼知(min.k)/調査支援:Perplexity/構造整理:ChatGPT GPT-5.2/ぱーぷん観測室

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Strategic Endurance Tobogganing(SET)

南極で腹ばいに滑るペンギンの移動法「トボガニング」から着想を得た、架空競技である。 文明人が「いつ腹になるか」を戦略的に選択する持久戦として構想された。 ふざけているようで、わりと本気である。 持久力 × 判断力 × 摩擦制御の極限競技 Strategic Endurance Tobogganing(SET)は、腹滑走(トボガニング)を主体とした長距離持久競技である。 本競技の核心は「速さ」ではなく、 いつ腹這いになるかを戦略的に選択し続ける能力 にある。 1. 競技距離 標準距離:21km、フル距離:42.195km。 ワンウェイ形式を原則とし、周回最適化を防ぐ。 2. コース構成 SETのコースは混合地形で構成される。 区間特徴腹滑走適性アイスプレーン低摩擦・高速◎圧雪中摩擦○粗雪高摩擦△微傾斜上り高負荷×微傾斜下り加速区間◎ 摩擦係数は事前公開されるが、風・気温・雪質は当日変動要素とする。 3. 姿勢モード 選手は以下の3モードを自由に切り替えられる。

なぜ人間にだけ悟りが必要なのか──ペンフルネス補遺

ペンフルネス──補遺 なぜ人間にだけ悟りが必要なのか 前稿で、ペンギンは釈迦が8年かけて目指した境地に生まれた瞬間から立っている、と書いた。 では、なぜ人間は悟りを必要とするのか。逆に問えば、なぜペンギンには必要ないのか。 それは、人間が進化の過程で、ペンギンが持たない能力を獲得したからだ。 1. ペンギンと人間、何が違うのか くろぴんとの会話でこんな話になった。群れでロープの前を通ると、一羽目が転ぶのを見ていた二羽目、三羽目が、順番に同じロープに引っかかって転んでいく、という話だ。「お前、見てたやんけ」と言いたくなるあれである。 あれは賢くないのではなく、「今ここ」の仕様だという話をした。ペンギンには過去の失敗を蓄積して行動を修正するシステムが弱い。毎回が初回で、毎瞬間が全力で、それだけだ。 人間は違う。人間は進化の過程で、過去を記憶し、未来を予測し、他者と比較し、失敗を蓄積する能力を獲得した。同じロープに二度引っかかることは少ない。一度目で学習する。そしてそれを仲間に伝え、次世代に継承する。 2. 文明は「今にいない能力」から生まれた 農耕は、未来の収穫を見越

ペンフルネス──釈迦が目指した境地

釈迦は35歳のとき、菩提樹の下で悟りを開いたとされる。8年に及ぶ苦行の末に辿り着いた境地──それは、過去への執着を手放し、未来への不安を捨て、ただ今この瞬間に在ること。 ペンギンは、生まれた瞬間からそれをやっている。 ペンギンという生き物の行動を観察していると、ある種の謎に突き当たる。彼らは好奇心旺盛で、見知らぬものに臆せず近づき、カメラをつついたり、人間の足元をうろついたりする。ところが、学習という観点から見ると、どうも蓄積が弱い。 群れでロープの前を通ると、一羽目が引っかかって転ぶ。後ろの個体はそれを目撃している。それでも、二羽目、三羽目、四羽目と、順番に同じロープに引っかかって転んでいく。 「お前、見てたやんけ」と言いたくなる。でも彼らには悪意も油断もない。ただ、今この瞬間のロープとはじめまして、しているだけだ。 これを「賢くない」と断じるのは簡単だが、それは少し違う気がする。彼らは「今ここを生きている」のであって、過去の転倒を引きずる必要がない仕様になっているのだ。 ペンギンが腹ばいで滑る移動方法を「トボガニング」という。カナダ先住民のソリ「トボガン」に由来する、れ

替え歌は"数学的構造処理"である

ある夜、こんな替え歌が生まれた。 岡くーん / はーい / なにがすきー? / 多変数複素関数論よりも あーなーたー ラブライブ発祥のフォーマット「AiScReam」に、数学者を当てはめたものだ。グロタンディークもウラムもノイマンも、次々と「あーなーたー」に当てこまれた。徹夜明けの眠い頭から、なぜこれが出てくるのか。 答えは、これが計算ではなく構造の操作だからだと思う。 なぜ替え歌は数学的か 替え歌を作るとき、人は無意識にこれをやっている。 まず、元歌から構造を抽出する。音節数、強勢パターン、フレーズの長さ、繰り返しの位置。次に、制約を固定する。韻、テンポ、抑揚——これらは変えてはならないルールだ。そして最後に、写像を行う。元の意味を新しい意味へと移す。リズム空間という器に、新しい内容を流し込む。 これは抽象化であり、制約付き最適化であり、パターン同型だ。数学的操作と、呼んでいいと思う。 しかも、テーマまで埋め込まれている 「多変数複素関数論よりも あーなーたー」 この一行が面白いのは、リズムが合っているだけじゃない。