StructurePlay
文豪フレンズ
睡眠薬というものは、今ではもう、昔ほど危険なものではないらしい。 昔の睡眠薬は、量を間違えると本当に危なかった。 その代表格として出てきたのが、 芥川龍之介が服用したことで知られる、ベロナールである。 ......あ。 ベロナール芥川。 いや何だ、ベロナール芥川って。 薬の名前と文豪の名前が並んだだけなのに、妙に完成している。 ベロナール芥川。なんかもう、文学史上の人物ではない。 業界の有名人だ。 「ああ、この件はベロナール芥川さんでいきましょう」みたいな。 …… 待って。 芥川龍之介がベロナール芥川なら、 親しい人たちの間では龍ちゃんだな。 龍ちゃん。 急に近い。 日本近代文学を代表する短編作家が、一気に近所の友だちになった。 「龍ちゃんまたいらんこと考えすぎてるよ」と言える距離に来てしまった。 そして龍ちゃんがいるなら、 金ちゃんもいる。 夏目漱石。本名、夏目金之助。 まごう事なき金ちゃんだ。 でも、これは少し難しい。漱石に詳しい人しか気づかない。 「金ちゃんって誰?」 となって、三秒後に、 「あっ…