とりあえず6本

はじめての方へ

  1. 自由研究: 地下鉄で通勤するロシアの犬 — 都市は人間だけのシステムではない
  2. 誰からも書かれない「ちいかわ」論——なぜみんな「思ったより深い」と言うのか
  3. 善意依存型組織とは? — 責任が蒸発する場所
  4. 技術と近づきすぎてはいけない
  5. 78公演の内側――TWICEツアーが可視化したK-POPビジネスの状況
  6. 可愛さは減価償却である — 若さ資本主義と年齢不安の構造

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メンタルケアの「合わない」への現実的な対処方法——「改善インセンティブの弱い相手」と、どう付き合うか

Handling "This Doesn't Work" in Mental Health Care — On Dealing with Providers Who Have Little Incentive to Improve 著:霧星礼知(min.k)|mncc.info / Author: Reichi Kirihoshi (mncc.info) 精神科などのメンタルケアを利用していると、「この医師とは合わない」「この支援者とは噛み合わない」と感じることがある。こうした経験は、それほど珍しいものではない。 その対処策としてまず自然に浮かぶのは、「問題点をきちんと説明すれば、相手も理解して改善してくれるのではないか」、という、ある意味社会人的な期待だ。説明が足りないから伝わらないのだろう、と考える。 しかし、ここには一つ見落としやすい前提がある。相手に、改善するインセンティブがあるかどうかである。

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ゲームはどこで課金させるのか——「Pokémon Sleep」と「モンスターストライク」の比較から「収益化の可視性」を考える

Where Games Ask You to Pay — Thinking About the Visibility of Monetization 著:霧星礼知(min.k)|mncc.info / Author: Reichi Kirihoshi (mncc.info) 現代のスマートフォンゲームにおいて、ゲーム体験と収益化設計はほとんど切り離せないものだ。 とはいえ「課金させるゲーム/させないゲーム」という単純な二分法で語れるほど、この領域は単純ではない。 同じ基本無料ゲームであっても、どこを有料化するか、プレイヤーのどんな心理を刺激するか、そして収益装置をどこまでプレイヤーの目に触れさせるかによって、受け取られ方はまったく違ってくるものだ。 本稿では、任天堂・ポケモン系列の『Pokémon Sleep』と、ミクシィの『モンスターストライク』を比較しながら、基本無料ゲームにおける収益化の構造と、その「可視性」について考えていく。 また、あらかじめ断っておくと、

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「人が詰まらないオペレーション」をつくる——眼鏡店RIM by JINSと皮膚科で見た「同じ設計」

Operations That Don't Clog — What an Eyewear Store and a Dermatology Clinic Have in Common 著:霧星礼知(min.k)|mncc.info / Author: Reichi Kirihoshi (mncc.info) 1. 「担当者」はいない 最近、皮膚科とRIM by JINSへ行った。RIMはJINSの姉妹ブランドで、測定や加工といった店舗サービスはJINSのものをそのまま使える。 医療機関と眼鏡店だから、業種としては関係がない。それでも、両方から出てきたあとに似た感触が残った。 それは「担当者」の不在である。 受付をする人、案内する人、専門的な判断をする人、会計をする人がそれぞれ別に現れ、こちらのほうが工程の中を移動していく。一人のスタッフが最初から最後まで自分を抱えることはない。

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JYPがTWICEに新しいキャラクターを作った理由——TDOONGZに見るK-POPの「IP戦略」

Why Did JYP Create New Characters for TWICE? — TDOONGZ and the Character IP Strategy of K-pop 著:霧星礼知(min.k)|mncc.info / Author: Reichi Kirihoshi (mncc.info) 1. TWICEに新しいキャラクターが登場した 「屋根裏部屋」から始まる告知 2026年10月8日、TWICE公式Instagramで「TDOONGZ」のティザーが公開された。 紹介サイトを見ると、9体のキャラクターは柔らかいパステルカラーでそろえられ、ペンギン、白猫、ユニコーン、シカと、それぞれ違う動物の姿をしている。 これは10月20日にデビュー11周年を迎えるグループの記念も多少意識しているだろう。 ちなみにTWICEにはすでにLOVELYSという公式キャラクターがいる。 これは2018年の日本曲「BDZ」冒頭のナレーションで語られる「ラブリー」が起点とされ[

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ZC、ZF、ZGF——動物園の配合飼料についている「記号」にまつわる話

Zoo Feed Codes — Oriental Yeast, Laboratory Animals, and the Idea of a Standardized Diet 著:霧星礼知(min.k)|mncc.info / Author: Reichi Kirihoshi (mncc.info) 1. 飼育の事情がそのまま並んでいる「餌の棚」 ペット用の餌の棚は見ていて飽きない。金魚なら浮上性と沈下性があり、色揚げ、育成、消化性で分かれている。犬猫なら年齢、体格、品種、避妊去勢の有無、体重管理。動物の生理と飼育環境が、そのまま商品分類になっている。 同じ調子で動物園の餌を調べていくと、途中で様子が変わる。 ZC。ZF。ZGF。 説明なしに見れば工業部品の型番に近い。 これらは、実際にはオリエンタル酵母工業が製造する動物園用配合飼料の製品名で、動物種ごとに栄養バランスを設計し、国内工場で製造・

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AI導入の壁は、AIの能力ではなく「人間が管理できる状態空間の大きさ」

The Wall in AI Adoption Is Not AI Capability — It Is the Size of the State Space Humans Can Manage 著:霧星礼知(min.k)|mncc.info / Author: Reichi Kirihoshi (mncc.info) 生成AIを業務に入れる話は、長いあいだ「AIに何ができるか」を中心に進んできた。 つまり、どこまでコードが書けるか、どこまで調べられるか、どれだけ長い文書を読めるか、ということだ。 最近、自分で小さな開発をしていて、詰まる場所が変わってきたと感じた。 AIはコードを書けるし、読める。だが作業が止まるのは、人間である自分が全体の状況を追えなくなったときだった。 1. AIを増やすと、「できること」

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飼育員から「担当範囲」を広げ続けた人——那須・神戸どうぶつ王国を作った佐藤哲也

The Man Who Kept Widening His Scope — Tetsuya Sato and the Making of Nasu and Kobe Animal Kingdom 著:霧星礼知(min.k)|mncc.info / Author: Reichi Kirihoshi (mncc.info) 佐藤哲也という人のキャリアは、履歴書として眺めると、かなり分散して見える。 飼育員から始まり、飼育部門の責任者になり、会社を作り、他社の動物施設を受託運営し、赤字だった那須どうぶつ王国を引き受け、経営破綻した神戸花鳥園を再生し、業界団体で日本中の動物園の飼育基準に関わり、最後は環境省の希少種保全事業まで担っていた[1]。 転職の記録としても、昇進の記録としても、うまく読めない。 しかし本人の中では、おそらくそれほどバラバラではなかった。 「動物をちゃんと飼う」ために必要な範囲へ手を伸ばし続けた結果、担当範囲が獣舎から会社へ、会社から動物園へ、

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いい人擬態図鑑 #1 ——悪人ではなくても、なぜか周囲が疲れる人たち

世の中には、悪い人ではないのに、なぜか一緒にいる人が疲れる人がいる。 意地悪をしているわけではない。誰かを陥れようとしているわけでもない。むしろ本人は真面目だったり、一生懸命だったり、困っていたりする。 だから扱いが難しい。 私はこういう人たちを「いい人擬態」と呼ぶことにした。 ここでいう「擬態」は、本人が意図的にいい人を演じている、という意味ではない。本人の持つ「真面目さ」「一生懸命さ」「困っていること」といった性質によって、その人が周囲に発生させているコストが見えにくくなっている状態を指している。 これが厄介なのは、本人自身も自分を「ちゃんとした人」「真面目な人」「他人に迷惑をかけない人」だと思っていることである。その自己認識が間違っているとは限らない。ただ、その「いい人」という自己像の外側で、誰かが問題を解決し、仕事を補完し、コストを支払っていることがあるのである。 悪意がないことと、他人にコストを発生させないことは別だ。そんな「悪人ではないからこそ発見しにくい人」を観察し、見えにくいまま負わされる苦しみを和らげようというのが、この「いい人擬態図鑑」である。 No

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研究室から飛び出した育種学者——近藤典生と「自然動植物公園」という発想

The Man Who Built Environments, Not Cages — Norio Kondo and the Idea of the "Natural Flora and Fauna Park" 著:霧星礼知(min.k)|mncc.info / Author: Reichi Kirihoshi (mncc.info) 近藤典生(こんどう・のりお、1915–1997)は、肩書きだけなら遺伝・育種学者、東京農業大学教授、進化生物学研究所の創設者である。しかし実際の仕事を追うと、育種学・自然史・探検・動植物の飼育・博物館展示・動物園設計を一つの思想の中で扱った人物と見るのが適切である。 特に動物園史の文脈では重要な人物であり、

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「なるほど、これをうちでもやろう」では遅い——Anthropicの指標をどう読むか

"We Should Do That Too" Is Already Too Late — How to Read Anthropic's Metrics for the Pace of AI Development 著:霧星礼知(min.k)|mncc.info / Author: Reichi Kirihoshi (mncc.info) はじめに Anthropicが、フロンティアAI開発の進み具合を外から把握するための測定方法を公開した[1]。AIがAI研究開発のどれだけを担っているか、AIエージェントの行動をどこまで監督できているか、計算資源を何に配分しているか。この三つである。 読んで最初に思ったのは、「ずいぶん当たり前のことを測っているな」ということだった。 誰が仕事をしているのか。それを誰が見ているのか。資源をどこに使っているのか。これらはどの組織でも気にしているはずのことだ。

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これはAI創作ではない——SNSで見かけるようになった「創作の形をしたクリックベイト」について

This Is Not AI Fiction — It Is Clickbait in the Shape of a Story 著:霧星礼知(min.k)|mncc.info / Author: Reichi Kirihoshi (mncc.info) はじめに 最近、SNSを見ていたら、縦読みの恋愛コンテンツの広告が流れてきた。 絵柄と文章の感じからして、生成AIを使って作られたもののように見えた。 読んでみたら、率直に言って、「とにかく気持ちが悪かった」。 AIの絵が不自然だとか、文章がAIっぽいとか、そういう話がしたいわけではない。 気持ち悪さの原因は、もっと手前の設計にあるように思えたのだ。 この記事では、その気持ち悪さを分解してみようと思う。 1. SNS広告で読んだ話 画面の下に外国語が残っていた コンテンツの本文は日本語で表示されていた。ところが画面の下部に、韓国語で「계속 읽으려면 클릭�

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公開記事が300本を突破したので、少しだけ真面目なことを書く(ただし、日本語ではない言語で)

Այսօր այս բլոգը հասավ 300 գրառման։ Ես սա չեմ ընկալում պարզապես որպես թիվ։ Սա այն ժամանակի կուտակումն է, երբ ես շարունակել եմ նայել, մտածել, կասկածել և բառերի վերածել այն, ինչ տեսել եմ։ Ես դեռ չգիտեմ, թե ուր կհասնի այս ամենը։ Բայց գիտեմ մեկ բան․ ես ուզում եմ շարունակել մտածել իմ

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