ThinkingEssay

なぜ私たちはそう考えてしまうのか。AIとの対話や日常の違和感を手がかりに、思考の癖や知性のあり方を探る。知識と身体、生成と判断のズレを観測する。AI時代における「考える」という行為を問い直すための記録。/ Thinking in AI age.

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「ジルノ」への答え方でわかった、AIそれぞれの認知の癖

高速列車の愛称の話をしていた。つばめ、はやぶさ、サプサン、フレッチャロッサ、フレッチャルジェント。国ごとに命名のセンスが違って、聞いているだけで面白い。 そのなかでスイスの高速列車「Giruno(ジルノ)」の話になった。ロマンシュ語由来の名前で、猛禽類にちなむらしいというところまでは知っていた。「それってノスリのことじゃないの?」と、なんとなくAIに聞いてみた。

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善意依存型組織とは? — 責任が蒸発する場所

Goodwill-Dependent Organization: Where Responsibility Disappears 著:霧星礼知(min.k)|mncc.info / Author: Reichi Kirihoshi (mncc.info) なぜ、良い人ばかりの職場なのに疲れるのだろうか。 人間関係は悪くない。休みも取りやすい。理不尽に怒鳴られることもない。 それでもなぜか、一部の人だけがいつも忙しく、同じ問題が繰り返される。その理由は、人ではなく組織の構造にあるのかもしれない。 善意依存型組織とは何か 組織に問題は存在する。しかし仕組みでは解決されない。 そのとき、誰かが補完することになる。 霧星礼知はこの構造を仮に「善意依存型組織(Goodwill-Dependent Organization)」と呼んでいる。本来は仕組みや責任分界によって解決されるべき問題が、個人の善意・責任感・自主性による補完によって成立している組織のことだ。 善意依存型組織は、一見すると円滑に動いているように見える。しかし実際には、仕組みではなく個人の努力によって維持されてい

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本当の自分は、探すものではない——人格と本人らしさについて

The Pattern That Remains: On Personas and the True Self 著:霧星礼知(min.k)|mncc.info / Author: Reichi Kirihoshi (mncc.info) 人はしばしば、「それは本当の自分じゃない」ということを言う。 けれど私は、この言葉にどこか違和感を覚えていた。 そもそも、本当の自分とは、何だろう。 仕事中の自分、友人といる時の自分、家族の前の自分——どれも違う。 けれど、どれも確かに自分である。 人は場面によって人格を使い分ける 教師、接客業、医師、司会者、営業。 こうした職業に就く人々は、それぞれの場面で異なる振る舞いを身につけている。教室に立つときの声の出し方、客の前での笑顔、診察室での落ち着いた口調、舞台での張りのある言葉、商談での丁寧な距離感。 これは嘘ではない。求められる責任に応じて、

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気持ちよく遊べる友達は、なぜ少ないのか

What Makes a Friendship Feel Light — Not Values, But How Responsibility Is Shared 著:霧星礼知(min.k)|mncc.info / Author: Reichi Kirihoshi (mncc.info) 最近、気づいたことがある。 私は友達が少ないわけではない。知り合いもいるし、一緒に食事をする相手もいる。 でも「気持ちよく遊べる友達」となると、急に数が減る。 仲が良いことと、気持ちよく過ごせることは、どうも別物らしい、と。 予定そのものでは、人は疲れない 友達と遊ぶ予定があるとき、遊ぶこと自体が疲れの原因になることは、あまりない。 それより疲れるのは、関係の「状態」だったりする。 本音が見えない。何を考えているのか分からない。気づくと、こちらばかりが状況を埋めている。

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「あなたと結婚したいのです」の前提を問う――感動の手前で立ち止まること

Questioning the Premise of “I Want to Get Married” 一 最初の違和感について 「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私はあなたと結婚したいのです」 この言葉を聞いて、多くの人が胸を打たれる。プロポーズの言葉として引用され、SNSで拡散され、「素敵」「泣ける」というコメントが並ぶ。しかし冷静に読めば、この一文は何も説明していない。「結婚しなくてもよい」という前提を認めたうえで、「それでも結婚したい」という意志を表明しているだけだ。その「なぜ」は、完全に宙に浮いたままになっている。 感動とは往々にして、問いを止める装置として機能する。言葉の響きや文脈の情緒が問いを飲み込み、「深いことを言っている」という感触だけが残る。だが立ち止まって問い返したとき、そこに実質的な答えがなければ、それは美しい空洞に過ぎない。この文章では、その空洞の中身を丁寧に掘り下げていく。 二 「結婚しなくても幸せになれる」とは何を指しているのか まず前提として置かれているこの句を検討する。「結婚しなくても幸せになれるこの時代」とはどういう状態か。 表

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ロシアはなぜ、「詩人の国」に見えるのか

ロシアという国を見ていると、時々不思議な感覚になる。 一見すると、経済も、政治も、社会も、非合理的なところからは距離を置いているように見えるこの国。 それなのに、なぜかこの国は時々「詩人」に見える。むしろ合理性を重視するはずの国々よりも、ずっと夢想が上手に見えるのだ。 その不思議さの正体を、少し掘ってみたい。

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なぜ人は無駄を必要とするのか — AI時代の「探索」の重要性

今回は本題の前段として、ファッションの話から始めてみる。 AIと対話しながら、白Tシャツを探していた。条件はシンプルなはずだった。透けにくく、シワになりにくく、一枚で着られること。それだけのはずが、気がつけばシルケット、ポプリン、高密度コットンの話になっていた。 そのとき、ある問いが浮かんだ。もし、最初からAIが提示した「正解」に従っていたら、この回り道は生まれただろうか。

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Amazonはなぜ国家安全保障の席に座っているのか

2026年6月、Anthropicの新モデルが公開からわずか数日で停止に追い込まれた。 その経緯として報じられたのは、Amazonが安全性に関する懸念を政府側に伝え、それが輸出管理という形で外国籍社員のアクセス禁止にまで及んだという一連の流れである。 詳細はまだ流動的だが、この一件が改めて浮き上がらせた問いがある。なぜAmazonは、国家安全保障の議論にこれほど自然に関わることができるのか。

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