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なぜ人間にだけ悟りが必要なのか──ペンフルネス補遺
ペンフルネス──補遺 なぜ人間にだけ悟りが必要なのか 前稿で、ペンギンは釈迦が8年かけて目指した境地に生まれた瞬間から立っている、と書いた。 では、なぜ人間は悟りを必要とするのか。逆に問えば、なぜペンギンには必要ないのか。 それは、人間が進化の過程で、ペンギンが持たない能力を獲得したからだ。 1. ペンギンと人間、何が違うのか くろぴんとの会話でこんな話になった。群れでロープの前を通ると、一羽目が転ぶのを見ていた二羽目、三羽目が、順番に同じロープに引っかかって転んでいく、という話だ。「お前、見てたやんけ」と言いたくなるあれである。 あれは賢くないのではなく、「今ここ」の仕様だという話をした。ペンギンには過去の失敗を蓄積して行動を修正するシステムが弱い。毎回が初回で、毎瞬間が全力で、それだけだ。 人間は違う。人間は進化の過程で、過去を記憶し、未来を予測し、他者と比較し、失敗を蓄積する能力を獲得した。同じロープに二度引っかかることは少ない。一度目で学習する。そしてそれを仲間に伝え、次世代に継承する。 2. 文明は「今にいない能力」から生まれた 農耕は、未来の収穫を見越