StructureEssay
終わらない物語は「思い出」になれない── 漫画型物語IPとソシャゲIPの時間構造
The Time Structure of IP: Why Endless Stories Don’t Become Memories コンテンツIPには、大きくふたつの時間構造がある。 ひとつは「終わる物語」を持つもの。もうひとつは「終われない構造」を持つものだ。この差は、一見するとビジネスモデルの違いに見える。だが実際には、人間の記憶がどう機能するかという問題に直結している。 1. IPには二つの時間構造がある まず整理しておこう。 ONE PIECEやNARUTOに代表される漫画型物語IPは、おおむね次のような時間構造を持つ。 連載が始まり、物語が蓄積され、完結によって「作品」として固定される。この構造は線形だ。始まりがあり、途中があり、終わりがある。 一方、Genshin Impactやウマ娘のようなソシャゲIPは、まったく異なる時間構造を持つ。リリースがあり、SNSで拡散し、イベントが更新され、また更新され、また更新される。物語によって時間が進むのではなく、更新によって時間が延びていく。