ThinkingEssay
AIは民主化から半歩ずつ遠のいている——使えるが、作れない構造
AI is drifting away from democratization — access expands, control concentrates スマホでAIが使える。無料プランがある。誰でもアクセスできる時代が来た——そう言われる。しかし「使える」ことと「作れる」ことは違う。そして「作れる」ことと「方向を決められる」ことも違う。 民主化という言葉が広がるほど、その実態との距離が気になる。AIを動かすには、お金がかかる。学習にも、推論にも、チップにも。その金額は個人やアカデミアが払える水準を超えていて、しかも下がる見込みが薄い。民主化の議論は「使う」側の話に終始しているが、インフラを持つ側の集権化は静かに進んでいる。 第1章:「使える」と「作れる」は違う——民主化の定義問題 AIが民主化した、という言説がある。スマホで使える、無料プランがある、APIが公開されている。確かにそれらは事実だ。2年前にはなかったアクセスが、