1000notes
さくらももこと、いがらしみきおは、人間関係が長年積み重なった時の「空気感」を書いている。
さくらももこと、いがらしみきおには共通点がある。 それは、人を書いているようでいて、実は「人間関係が長年積み重なった時の空気」を書いていることだ。 世の中には記号的な人物描写がある。 厳格な父親。 自由な母親。 変わり者の友人。 卑怯なクラスメイト。 説明としては分かりやすい。しかし現実の人間は、そんなに整理されていない。 例えば『ぼのぼの』のアライグマくんの両親。 アライグマくんのお父さんは、旅好きの妻に振り回されている。ある場面で彼は「どうせまた行くんだろお前は!」と怒鳴る。するとお母さんは「また行く」と答える。次のコマでは、お父さんが一人で巣穴の中でイライラしている。 これは「自由な母親」と「苦労する父親」の話ではない。 本当に描かれているのは、何度も同じやり取りを繰り返してきた夫婦の空気だ。 お父さんは妻が旅に出ることを止められないと知っている。お母さんも怒られることを知っている。それでも旅に出る。お互いを理解しているのに、理解した上で噛み合わない。 その空気が妙にリアルだ。 ヒグマくんのお父さんも同じだ。 土佐弁で豪快で、筋を重んじる。記号的に描けば「