ThinkingEssay
AIは「社会インフラ」になれない——普及の夢と重力の現実を考える
The Gravity of Intelligence: Why AI Cannot Become Social Infrastructure 著:霧星礼知(min.k)|mncc.info / Author: Reichi Kirihoshi (mncc.info) 「AIが社会インフラになる」という言葉を聞くたびに、ひとつの疑問が頭を離れない。電気や水道がインフラになれたのは、使えば使うほど安くなったからだ。でもAIはその逆を走っている——なぜ、同じ未来を語れるのか。 インフラとは何か、という問いから始める 「インフラ」という言葉は、しばしば「重要な技術」の同義語として使われる。しかし本来の意味は、少し違う。インフラとは、止まると社会の大多数が困り、コストが下がり続け、代替手段がなくなり、「使うかどうか」をもはや考えなくなった技術のことだ。 電気・水道・携帯電話には共通点がある。利用者が増えるほど単価が下がり、ある時点から「持たない理由」