← 1000engineering

「どうすればできるの?」は建設的な発言とは限らない

「どうすればできるの?」

一見すると、とても建設的な言葉に聞こえる。

実際、現場でもよく使われる。

しかし、この言葉は建設的な発言とは限らない。

むしろ、責任を他者へ移すための言葉として機能してしまうことがある。


問題は「問い」ではなく、「誰が考えるか」

例えば実装担当がこう言う。

「この通信経路では成立しません。」

「この権限では動きません。」

「この運用では回りません。」

ここで、PMなりリーダーなりが、

「どうすればできるの?」

と返す。

これは、一見すると前向きだ。

しかし、その一言だけで終わるなら、実装担当は

  • 制約を分析し
  • 代替案を考え
  • リスクを整理し
  • 工数を見積もり

最後に判断材料まで用意することになる。

つまり、

制約を理解する責任そのものが実装側へ移っている。


本当に建設的な人は何を聞くのか

本当に現実を見ようとしている人は、こう聞く。

  • なぜ成立しないのか。
  • 制約はどこにあるのか。
  • 要件を変えれば成立するのか。
  • 納期を変えるべきなのか。
  • リスクを受け入れるべきなのか。

つまり、

「どうすればできるの?」

ではなく、

「どの制約を、誰が引き受けるのか。」

を一緒に考える。


建設的とは、責任を共有すること

建設的とは、

相手に答えを作らせることではない。

現実の制約を理解し、

その責任を一緒に背負うことである。

「どうすればできるの?」

という言葉は、その姿勢が伴って初めて建設的になる。

そうでなければ、それは建設的な言葉を借りた責任転嫁にすぎない。