スペイン高速鉄道の自由化とインフラ管理——運行量の増加に、安全を支える仕組みは追いつけるのか

Liberalization and Infrastructure Management in Spanish High-Speed Rail — Can the Systems That Keep Trains Safe Keep Pace with Traffic Growth?

著:霧星礼知(min.k)|mncc.info / Author: Reichi Kirihoshi (mncc.info)


1. 二つの事故と、この記事で扱う問い

Urdaで起きたこと

2026年10月28日の朝、マドリード〜アンダルシア高速線のトレド県Urda付近、118キロポスト付近で、マドリード発セビリア行きのRenfeのAVEが、前方に停車していたiryoの列車に後方から衝突した[1]。iryo側は29日現在、当該列車を6076便、乗客146人と発表している[2]。カスティーリャ=ラ・マンチャ州首相は29日未明、死者を68人と発表し、さらに増える可能性があるとした[3]。衝突時刻は、州の緊急通報機関が8時54分、iryoが8時48分としており、資料によって差がある[1:1][2:1]。

現場、原因について出ている情報は、性質の違う三種類に分かれている。
一つは運輸相の予備的な説明で、前方に列車が止まっていたにもかかわらず、管制側が後続列車の進行を認めたとしている[4]。二つめは報道機関が伝える関係者情報で、主たる信号保安システムであるLZBがこの区間で機能を失い、iryoの列車が停止していたとされる[5]。三つめは技術調査を担う鉄道事故調査委員会(CIAF)の見解で、仮説を述べるには時期尚早だとしている[4:1]。いずれも調査結果ではない。

本稿は2026年10月29日時点の公表情報と報道に基づいて書いている。事故の原因について、本稿は判断しないものとする。

同じ回廊で、九か月のうちに二度目

同じマドリード〜アンダルシア回廊では、2026年1月18日にもコルドバ県Adamuzで、iryoの列車の後部車両が脱線し、対向のRenfeのAlviaと衝突する事故が起きている。こちらの死者は46人だった。CIAFは4月に裁判所へ提出した報告で、両列車の記録装置に異常は見られないとし、レールの破断を原因とする見方を示している[6]。これは調査の過程で示された見解で、最終報告による原因認定はまだ出ていない。

Adamuz事故では、軌道の状態が調査上の重要な論点になっており、Urda事故では、信号保安システムの動作と管制の判断が、報道上の主な論点として挙げられている。特に後者は調査が始まったばかりで、原因を確定できる段階ではないだろう。

この記事で扱うこと

二つの事故が続いたことで、スペインでは「自由化で列車を増やしすぎたのではないか」「Adifは保守に金をかけていないのではないか」という議論が強まっている。

本稿はこのどちらにも直接は答えない。代わりに、次の問いを考える。

高速鉄道の運行量が急に増えたとき、それを支えるインフラの保守・更新能力は、同じ速度で増やせるのか。

以下では、スペインの自由化で何が増えたのかを数字で確認し、日本の東海道新幹線が高密度運行をどう組み立てているかと比べ、そのうえでインフラ管理者Adifの投資と保守、工事と運行の両立、異常時の安全管理を順に見ていく。確認された事実、そこから引ける分析、まだ確かめられていない仮説は、区別して書く。

2. Renfeの独占から「オープンアクセス」へ

三十年かけて広がった高速鉄道網

スペイン最初の高速線は、1992年4月21日に開業したマドリード〜セビリア線である。470.5kmを2時間50分で結び、当時のスペインで最大の鉄道工事だった[7]。その後、高速網はマドリードを中心に放射状に広がり、Adif Alta Velocidad(以下Adif AV)が管理する高速網は約3,981kmに達している[8]。

運行と線路の分離

スペインの高速鉄道は、EUの鉄道政策に沿って上下分離で運営されている。
線路・信号・電力などのインフラはAdif AVが保有・管理し、その上を複数の鉄道事業者が線路使用料(canon)を払って走る。Adif AVが管理する高速鉄道網の保守と運行管理(管制を含む)は、別個の公的企業体であるAdifへの業務委託(encomienda de gestión)によって実施されている[9]。

主な旅客事業者は三つある。

  • Renfe Viajeros:国営。AVE、低価格ブランドのAvloなどを運行
  • OUIGO España:フランス国鉄SNCF系
  • iryo(ILSA):イタリアのTrenitalia系などが出資

段階的な市場競争拡大

市場競争は全国一斉ではなく、回廊ごとに順番に始まった。CNMC(スペイン市場競争委員会)の整理では、各社の参入日は次のとおりである[10]。

表1:高速鉄道自由化の主な経過

時期 出来事
2021年5月10日 OUIGO、マドリード〜バルセロナで営業開始
2021年6月23日 Renfe、Avloをマドリード〜バルセロナに投入
2022年10〜12月 マドリード〜バレンシアでOUIGO・iryoが参入
2022年11月25日 iryo、マドリード〜バルセロナで営業開始
2023年3月31日 iryo、マドリード〜セビリア/マラガ方面に参入
2023年6月1日 Renfe、Avloをアンダルシア方面に投入
2025年1月16日 OUIGO、アンダルシア方面に参入(3社競合に)
2026年1月18日 Adamuz事故
2026年10月28日 Urda事故

「自由化」は何をもたらしたか

自由化の成果ははっきりしている。2025年の長距離高速鉄道の利用者は4,450万人で、2019年のほぼ2倍になった。実質ベースの平均運賃は、マドリード〜バレンシアで約半分、ほかの回廊でも約4割下がった[11]。鉄道の飛行機に対するシェアも上がり、マドリード〜セビリアでは93.5%に達している[12]。

CNMCは2024年時点の自由化の効果を、社会全体で約5億390万ユーロのプラスと推計している。内訳には旅客の運賃節約のほか、航空・道路からの転移による外部費用の削減も含まれる[13]。

自由化は利用者に明確な便益をもたらした。以下の議論は、この評価を前提にしている。

3. 運行はどれだけ増えたのか

旅客数と列車キロは別の指標

初めに言っておくと、旅客数が倍になっても、列車本数が倍になったとは限らない。一編成あたりの座席数や乗車率が変われば、同じ本数でも運べる人数は変わるからである。
インフラへの負荷や管制の仕事量を見ようとするなら、旅客数より、列車が実際に走った距離(列車キロ)や、ある区間を通過する列車の本数のほうが参考になる。

以下では、旅客数と運行量の指標を分けて並べる。

表2:長距離高速鉄道の旅客数と供給座席数(CNMC)[14]

年 旅客数(百万人) 供給座席数(百万席)
2020 7.6 11.8
2021 13.5 17.4
2022 23.7 26.8
2023 32.4 39.4
2024 39.6 44.8
2025 44.5 50.3

2025年の供給座席数は2019年比で107.7%増、旅客数は98.9%増である[14:1]。

表3:運行量に関する指標

指標 値 範囲・定義 出典
1日1方向あたりの列車本数 76本(2019年)→118本(2023年12月) 自由化された3回廊の合計 [15]
マドリード〜アンダルシア高速線の交通量 2023年 前年比24.3%増 Adif交通統計 [16]
同上 2024年 前年比18.5%増 Adif交通統計 [17]
14号軸(マドリード〜セビリア/マラガ/グラナダ)の列車キロ 2,623万km(2025年、前年比11%増)。高速網で初めて最大 Adif内部の業務列車を除く [18]
010号線(マドリード〜セビリア)の列車キロ 2,113万km(2025年、前年比20%超増) Adif内部の業務列車を除く [18:1]
マドリード〜コルドバ間の通過本数 1日100本超(2025年) 区間の1日あたり運行数 [19]
Adif AV網全体の列車キロ 8,531万km(2024年) 保守用などの内部列車を含む [20]

この表の数字は、対象範囲と定義がそれぞれ違うため、つないで一本の時系列にはできない。たとえば表3の最下段は、Adif自身の保守用列車などを含む総量で、線路使用料の対象になる列車キロとは一致しない[20:1]。

それでも、方向ははっきりしている。運行量は、旅客数ほど一様にではないが、明らかに増えている。とくにアンダルシア方面は、2023年のiryo参入と2025年のOUIGO参入のたびに大きく伸び、2025年には010号線の列車キロが前年から2割以上増えた。

運行の増加が要求すること

列車が増えると、インフラ管理者に対する要求は一つではなくなる。

  • 線路容量:どの時間帯に誰の列車を何本入れるか
  • ダイヤ調整:性能の違う列車を、どう並べるか
  • 設備への負荷:軌道・分岐器・架線などの摩耗や劣化の進み方
  • 保守の時間:列車が走らない時間をどれだけ確保できるか
  • 異常時の運転整理:故障や遅れが起きたとき、止まっている列車や後続列車をどうさばくか

列車キロは、このうち最初の二つにはある程度対応するが、摩耗や管制の負荷を直接示すものではない。摩耗は車両の重さや速度、線形に左右され、管制の負荷はピーク時の間隔や異常時の頻度に左右される。列車キロが増えたからといって、設備の劣化や管制の負担が同じ割合で増えたとは言えないのである。

4. 別ケース:東海道新幹線の高密度運行はどう組まれているか

「のぞみ12本ダイヤ」

比較の対象として、東海道新幹線を見る。JR東海は2020年春、1時間あたり最大12本の「のぞみ」を走らせる「のぞみ12本ダイヤ」を実現した。2019年の決算説明会資料によると、そのために次のことを組み合わせている[21]。

  • JR西日本の直通車両も含め、東海道新幹線を走る全列車をN700Aタイプに統一し、最高速度を285km/hにそろえる
  • 東京駅での折り返し時間を短くするため、ATCブレーキを改良し、駅設備と車内清掃の手順を見直す
  • 列車本数を増やすための電力設備の増強
  • 運行管理システムの改良

車両の性能をそろえることで、速い列車と遅い列車のすき間が消え、同じ線路により多くの列車を詰められる。12本ダイヤは、JR東海を中心に、直通するJR西日本の車両も含めて、車両性能・信号・電力・駅作業・運行管理を一体的に調整した結果として成り立っているのである。

そして「のぞみ13本ダイヤ」

2026年3月14日のダイヤ改正では、東京駅7〜10時台の下りと新大阪駅14〜17時台の上りで臨時「のぞみ」を追加し、定期列車と合わせて1時間最大13本を運転できる時間帯が設けられた[22]。13本は特定の時間帯に設定できる上限であり、終日13本が走っているわけではない。

運行の時間と保守の時間を分ける

東海道新幹線では、営業列車を運転しない夜間の時間帯を、計画的な線路内の保守作業のために確保している。この時間帯は基本的に0時から6時までで、最終列車が線路上からいなくなったことを確認し、線路閉鎖と送電停止の手続きをとってから、作業員と保守用車が入る[23]。JR東海によると、毎晩約50編成の保守用車が軌道や電気設備の作業に出ている[24]。

スペインでも、夜間の保守時間帯は設けられている[25]。違いは保守時間の有無ではなく、その時間を誰がどう配分し、運行計画とどう調整するかの側にあるのである。

スペインとの比較

両者の違いを表にまとめる。

表4:東海道新幹線とスペイン高速鉄道(アンダルシア方面)の比較

項目 東海道新幹線 スペイン高速鉄道
運行事業者 JR東海(JR西日本の直通列車あり) Renfe、iryo、OUIGO(ほかにRenfeのAlviaなども走行)
インフラ管理者 JR東海(上下一体) Adif AV(保守・運行管理はAdifに委託)
車両形式 N700A以降の系列に統一 事業者ごとに異なる(iryoはFrecciarossa 1000など)
ダイヤ調整 JR東海を中心に、車両性能を前提として設計(JR西日本と調整) 管理者が複数事業者の運行計画を調整
線路容量の配分 主に社内の判断 管理者が各事業者に配分(公平性の確保が求められる)
保守・設備更新 営業列車を運転しない夜間時間帯を計画的に確保 夜間の保守時間帯で実施、必要に応じて延長・片線運転・速度制限
異常時の運行管理 JR東海の指令が担当 管理者の管制と各事業者の乗務員・指令の連携

いくつか注意しておきたい。

東海道新幹線にも、JR西日本という別会社の列車が直通している。一社で完結しているわけではない。

スペインの運行密度が東海道新幹線より高いわけでもない。JR東海の2018年度の東海道新幹線の運転本数は1日平均373本で[21:1]、スペインで最も列車の多いマドリード〜コルドバ間は1日100本超である[19:1]。定義が違うので厳密な比較にはならないが、桁の感覚としては東海道新幹線のほうがはるかに密である。

オープンアクセスそのものが安全性を下げる、という根拠もない。車両が多様であることが、そのまま運行管理の難しさや安全性の低下につながるわけでもない。

両者の違いは、高密度運行を成立させる組織の形と、設備を最適化するやり方にある。東海道新幹線では、輸送力の増強を、JR東海を中心に車両・設備・運用を一体的に調整することで進めてきた。スペインでは、インフラ管理者が、自分では車両を選ばない立場で、複数の事業者の計画を共通の線路の上に並べる。比べるべきなのは技術の優劣ではなく、輸送力の増強と設備の管理を、どの組織がどういう手続きで同期させるかという制度の条件である。

5. Adifは安全投資を怠っていたのか?

大規模な更新は進められていた

マドリード〜セビリア線は開業から三十年を超え、Adif AVは7億ユーロ超を投じる全面更新を進めている。Adif AV自身はこの更新の目的を、信頼性と安全の水準を保つことと、自由化への対応の二つとしている[25:1]。

対象は線路のほぼ全体にわたる[25:2]。

  • 高架橋・トンネルの補修、枕木・バラストの交換
  • 分岐器110基を最高350km/h対応の新型に交換
  • 信号・通信の更新、ERTMSレベル2とデジタル版ASFAの導入、連動装置の更新
  • 電力設備・架線の更新、監視カメラなどの保安設備

2024年の時点で、マドリード〜セビリア線の軌道回路1,292か所の更新と、マドリード・アトーチャ〜ブラサトルタス間(路線の56%)の連動装置の更新が終わっている[26]。

保守費用は増えていた

Adif AVの年次報告に載っている高速網の保守費用は、次のとおりである。

表5:Adif AV高速網の保守費用(2024年報告書の系列)[27]

年 保守費用 線路1kmあたり
2022 3億6,810万ユーロ 9万2,800ユーロ
2023 3億7,670万ユーロ 9万4,800ユーロ
2024 4億4,430万ユーロ 11万1,700ユーロ

2025年版の報告書は保守費用の算定方法を改め、過年度の値を修正している[28]。本稿では原本で数値を照合できていないため、2025年版の値は使わず、確認済みの2024年版の系列だけで記述する。

これとは別に、既存の高速網の更新・改良に向けた投資(資本的支出)は、2022年2億260万、2023年2億3,810万、2024年2億9,010万ユーロと増えている[27:1]。保守費用と更新投資は別の勘定であり、合算して「安全投資」と呼ぶことはしない。

運行量あたりで見ると

確認済みの2024年報告書の系列では、高速網全体の保守費用は2023年から2024年にかけて約18%増えた[27:2]。同じ年、Adif AV網全体の交通量は7.9%増えている[17:1]。

2025年については、CNMCによれば、アンダルシア方面の14号軸で列車キロが前年比11%増えている[18:2]。同じ年の保守費用は、上記の理由で本稿では扱わない。

ここから言えるのは次のことまでである。

  • 保守費用の絶対額は増えている。
  • アンダルシア方面の運行量も増えている。
  • 両者の増加率を比べるには、対象範囲と算定方法をそろえた系列が要るが、今回の調査ではそうした系列は見つかっていない。
  • 保守費用には、運行量にかかわらず発生する固定的な部分、設備の経年による増加、物価上昇の影響がまとめて入っている。保守費用の増減だけで、安全の水準の変化は判断できない。

財源の問題なのか

「自由化で運賃が下がり、Adifの収入が足りなくなった」という説明も、資料とは合わない。CNMCによると、Adif AVが自由化された回廊で得た線路使用料は、2023年に2019年比で1億4,800万ユーロ(52%)増えた[15:1]。2024年については、追加の交通量に対応する費用を差し引いても、線路使用料の増収でAdifに1億3,330万ユーロの純益があったと推計している[13:1]。アンダルシア方面では、線路使用料が運行事業者の総コストの38%を占め、事業者の多くは赤字である[29]。

市場の成長は、インフラ管理者の財源をむしろ増やしていた。

投資額と、投資を実行する力

それでも問題が残るとすれば、それはお金の量とは別のところにある。予算があっても、工事を実際に進めるには次のものがそろわなければならない。

  • 専門の技術者と作業員
  • 保守用車両や機械
  • 資材
  • 線路を閉鎖して作業できる時間
  • 運行事業者との調整
  • 更新後の試験と検証

Adif AV自身、2024年の報告書でいくつかのリスクを挙げている[30]。建設部門については、経験のある技術者がもともと不足していること。運行管理部門については、同時に進む工事が多く、請負会社が有資格の人員を確保しにくいことと資材の調達の問題、そして必要な資源がAdifと請負会社の双方で不足していること。技術者の不足、請負会社の人員確保、Adifと請負会社双方の資源不足は、それぞれ別のリスクとして書かれており、一括して「Adifの人手不足」とは読めない。

なお、Adif AV本体の従業員は2024年時点で249人だが、保守・運行管理の業務はAdifに委託されているため、この数字は高速鉄道網の保守に従事する総人員を示すものではない[9:1]。

ここでは、この状態を仮に 「保守の容量」 と呼んでみたい。点検・修繕・更新・異常時の復旧を、単位時間あたりにどれだけ実行できるかという量で、Adifが公表している指標ではなく、本稿の分析のために置いた概念である。保守の容量は、予算だけでなく、人、機械、資材、線路を空けられる時間、事業者との調整、検証の手順が掛け合わさって決まる。予算は一年で増やせるが、人と時間はそう簡単には増えない。

投資額が足りなかったのか、投資を実行する力が足りなかったのか。この二つは分けて評価する必要がある。

現時点の資料で確認できるのは、前者を支持する証拠が弱いことと、後者についてAdif自身がリスクを認めていたことまでである。

6. 列車を走らせながら線路を直す

Adif自身が認める難しさ

Adif AVは、マドリード〜セビリア線の更新を「技術と計画の両面での大きな挑戦」と説明している。工事は夜間の保守時間帯に行われるが、規模の大きい作業では、保守時間帯を延長する、片側の線路を止めてもう片側だけで列車を走らせる、特定区間に一時的な速度制限をかける、といった措置が必要になるとしている[25:3]。

実際に行われた調整

具体例として、シエラ・モレナを抜ける32km区間の高架橋9か所の更新工事がある。工事中は一部区間が単線運転となり、AdifはRenfeとiryoの運行時刻を単線区間に合わせて調整した。作業員の安全のため、工事区間の速度は120km/hに落とされた[31]。

設備の更新は、列車の運行と同じ線路の上で、同じ時間を取り合って進む。工事のために線路を空ければ、その分だけ列車の本数か速度が削られる。

運行量の増加と更新工事の関係

運行量が増えると、設備の劣化が早まり、更新の必要性は高まる可能性がある。同時に、列車が増えるほど、工事のために線路を空けられる時間は取りにくくなる。この二つの圧力は、同じ方向から同時にかかる。

図1:運行量の増加と保守・更新の関係(分析上の仮説モデル)

運行量の増加
 ├─→ 設備への負荷が増える ─────→ 保守・更新の需要が増える ─┐
 └─→ 列車の走らない時間が減る ─→ 作業に使える時間が減る ───┤
                                                              ↓
                     保守・更新の需要 > 保守の容量 になると
                                                              ↓
          ① 保守時間帯の延長・片線運転・速度制限で運行側を削る
          ② 工事を先送りする
          ③ 保守の容量そのもの(人・機械・時間)を増やす

この図は分析上の仮説モデルで、因果関係を実証したものではない。スペインで実際に①〜③のどれがどの程度起きていたかは、保守時間帯の実績や工事の遅延状況を示す資料がないため、確認できていない。

事故後の運行制限

図1は、平常時に保守の需要が保守の容量を上回った場合の一般的な選択肢を示したものである。これとは別の事象として、事故の後には、現場の復旧、調査、安全確認、予防的な速度制限のために運行が制限される。

2026年第1四半期には、線路の閉鎖、速度制限、運行本数の削減によって、長距離高速鉄道の旅客が前年同期比で21%減った。マドリード〜セビリアは27%減、マドリード〜マラガ/グラナダは61%減である[32]。この四半期には1月のAdamuz事故が含まれる。

事故後に安全確認や復旧を優先すれば、運行本数や速度を制限せざるを得ない場合がある。2026年第1四半期の旅客減少は、そうした安全上の制約が輸送サービスに及ぼす影響の大きさを示している。この数字から、事故以前の保守能力の不足を判断することはできない。

オープンアクセス特有の課題

複数の事業者が同じ線路を使う場合、工事のための運行制限は、特定の事業者だけに負担が偏らないよう配分しなければならない。線路容量の配分と同じく、工事の負担の配分にも公平性が求められる。上下一体の鉄道会社なら社内の判断で済む調整が、ここでは事業者間の利害調整になる。

ただし、事業者間の調整が原因で工事が遅れたことを示す資料は、今回確認できていない。CNMCは自由化の効果検証の中で、定時性を競争上の強みとして維持するために、保守などの関連業務にも定時性の指標と目標を設けるよう勧告している[13:2]。運行の質と保守の質を同じ枠組みで管理する必要がある、という問題意識は、規制当局の側にもある。

7. 安全投資と安全管理

「設備が正常なとき」の安全

マドリード〜セビリア線では、LZBと呼ばれる連続式の列車制御が主な信号保安システムとして使われ[33]、デジタル版ASFAとERTMSレベル2の導入が進められている[25:4]。連続式の列車制御は、前方の列車の位置と線路の状態をもとに、運転台に許容速度を送り続ける。
つまり、設備が正常に動いている限り、後続列車が前方の列車に追いつくことは、システム側で防がれるのである。

設備が止まったときの安全

問題は、その設備が止まったときである。主たる保安装置が機能を失った区間では、列車は補助的な保安装置と地上信号、管制の指示を頼りに走ることになる。通常時は機械が担っていた「前に列車がいるかどうか」の判断の一部が、手順と人に戻ってくる構図だ。

Urdaの事故について、報道は、LZBの停止で複数の列車が止まったこと、iryoの運転士が管制と交信中だったこと、iryoとAVEが異なる指示を受けていた可能性があることを伝えている[5:1][33:1]。LZBの機能停止も、管制指示の問題も、現時点では報道情報と予備的な説明にとどまる。どの段階で何が起きたのかは、CIAFと裁判所の調査を待つしかない。

ここで言えるのは一般的なことだけである。保安装置への投資は、設備が動いている時間の安全を高める。設備が動かなくなった時間の安全は、運転取扱いの規則、管制担当者の手順と訓練、管制と各事業者の乗務員の間の情報のやりとり、そして責任の分担によって決まる。上下分離の体制では、この最後の部分が組織の境界をまたぐ。

組織としての安全管理

Adamuz事故の後、2026年2月9日に運輸省は鉄道の主要労組と合意を結び、労組はストライキを取り下げた[34][35]。政府の発表によると、合意には次の施策が含まれる[34:1]。

  • Adifの人員:2026〜2030年に2,400人(年約480人)増やす
  • Adif AVの保守費用:新たな財政協定で、2025年から2030年にかけて44%増やす
  • 鉄道安全庁(AESF):国の鉄道安全規制機関であるAESFに50の常設ポストを新設し、監督のための人員と組織を強化する
  • 安全管理の調整:インフラ管理者と事業者などが分担する安全管理を調整する委員会を労組も加えて設け、臨時速度制限と気象警報についての作業部会を置く
  • 保守用車両:インフラ保守用の道路車両を300台増やし、鉄道上の保守用車両も更新する

Adif内部の人員増と、Adifを外から監督するAESFの強化は、別の施策である。

この合意は、予算だけでなく、人員、保守用車両、組織間の調整、外部の監督にまで手を入れた点で、保守の容量そのものを増やそうとする試みと読める。一方で、人を採用し、訓練し、現場で使えるようになるまでには年単位の時間がかかる。合意の効果が現れるのは、これからである。

事故との関係について

自由化、運行密度、保守費用のいずれかとUrdaやAdamuzの事故とを結びつける根拠は、現時点では存在しない。本稿で扱ったのは、事故が起きた環境の構造であって、事故の原因ではない。

8. 輸送力を「増やす」ことと、「維持する」こと

スペインの高速鉄道自由化は、運賃の低下と利用者の倍増という成果を生んだ。線路使用料の増収で、インフラ管理者の財源も増えた。

その一方で、インフラ管理者には、急に増えた列車をさばきながら、三十年を超えた設備を更新するという仕事が同時にのしかかった。Adifは更新に投資し、保守費用も増やしている。問題を単純な投資不足として説明することは、資料に照らして適切ではないのである。

確認できた範囲で見えてくるのは、もう少し地味な問題である。列車は、事業者が車両を用意し、管理者が線路容量を配分すれば、数年で増やせる。保守の容量は、技術者を育て、機械をそろえ、線路を空ける時間を確保し、事業者と工事の負担を分け合う手順を作らなければ増えない。前者は市場の速度で動き、後者は組織の速度でしか動かない。

市場の拡大と保守能力の拡張には、時間の面でも組織の面でも、異なる制約がかかっている。これは資料に基づく構造的な解釈で、厳密に実証された結論ではないのだが。

東海道新幹線が12本、13本と本数を増やしてきた過程は、JR東海を中心に車両性能・信号・電力・駅作業・運行管理を一体的に調整し、営業列車を運転しない夜間の保守時間を計画的に確保することで成り立ってきた。スペインは、同様の調整を複数の会社の境界をまたいで行っている。輸送力を増やすたびに、誰がどこで保守の容量を確保するのかを決める必要があるのはどちらも同じで、違うのはその決め方を担う組織の形である。

スペインの高速鉄道は、技術として決して未成熟なわけではない。1992年以来の運行実績を持つ高速鉄道技術を、自由化によって組み替えられた市場構造の中で運用している。だから、筆者の見方では、成熟の途上にあるのは技術よりも、この市場構造の側である。議論すべきなのは技術力の優劣ではなく、複数の事業者が使うインフラについて、輸送力の増加と保守・更新能力の拡張をどう同期させるかである。

鉄道の輸送力を増やすことと、その輸送力を安全に維持することは、同じではないのだ。


☕️よかったらコーヒー一杯。 https://buymeacoffee.com/mink_obs

著:霧星礼知(min.k) / リサーチ・構造支援:Claude Opus 5.5、ChatGPT / AI-assisted / Structure observation


注


For international readers

Spain's high-speed rail market, opened to competition from 2021, has delivered clear benefits for passengers: ridership on long-distance high-speed services reached 44.5 million in 2025, roughly double the 2019 level, and real average fares fell by around 40–50%. Two fatal accidents on the Madrid–Andalusia corridor in 2026 — a derailment at Adamuz in January, where investigators have examined a possible rail fracture, and a rear-end collision near Urda on 28 October, amid preliminary reports of signalling problems — have drawn attention to the infrastructure manager, Adif. Neither accident has an officially established cause.

This article does not assign causes to either accident, and it does not claim that liberalization caused them. It asks whether the capacity to maintain and renew infrastructure can be expanded at the same pace as traffic. Official data do not support a simple story of underinvestment: Adif has been carrying out a renewal programme of over €700 million on the Madrid–Seville line opened in 1992, maintenance spending has risen in absolute terms, and track-access charges from new operators increased its income. The records also show that renewal work shares the same track and hours with trains, and that Adif's own reports listed shortages of experienced technical staff and of resources at Adif and its contractors as risks. Available statistics do not allow maintenance spending and traffic growth to be compared on a consistent basis.

The comparison with Japan's Tokaido Shinkansen — where JR Central, together with through-running JR West trains, coordinated rolling stock, signalling, power, station work and traffic management to run up to 12 and then 13 Nozomi trains per hour, and where night hours without commercial trains are reserved for planned track maintenance — is a comparison of organisational settings, not a ranking. The article's interpretation, offered as an analytical view rather than a proven finding, is that train paths can be added at the pace of the market, while the capacity to maintain them — people, machines, track possession time, coordination and verification — grows at the pace of organisations.

Keywords

Spain high-speed rail, rail liberalization, open access, Adif, Adif AV, Renfe, Iryo, OUIGO, CNMC, infrastructure maintenance, track possession, degraded mode operations, LZB, ERTMS, Madrid–Seville line, Urda accident, Adamuz accident, Tokaido Shinkansen, JR Central, railway safety management

スペイン高速鉄道、鉄道自由化、オープンアクセス、上下分離、Adif、Renfe、iryo、OUIGO、CNMC、インフラ保守、保守間合い、線路閉鎖、異常時運転、LZB、ERTMS、マドリード〜セビリア線、Urda事故、Adamuz事故、東海道新幹線、のぞみ12本ダイヤ、のぞみ13本ダイヤ、JR東海、鉄道安全管理、保守の容量


  1. Infobae「Así ha sido el accidente de tren en Toledo: un AVE Renfe que sale de Atocha a las 8 de la mañana y una hora más tarde choca con un Iryo」2026年10月28日. https://www.infobae.com/espana/2026/10/28/asi-ha-sido-el-accidente-de-tren-en-toledo-un-ave-renfe-que-sale-de-atocha-a-las-8-de-la-manana-y-una-hora-mas-tarde-choca-con-un-iryo/ ——カスティーリャ=ラ・マンチャ州112緊急サービスによる衝突時刻8時54分、マドリード〜アンダルシア高速線118キロポスト、停車中のiryoへのAVEの追突。 ↩︎ ↩︎

  2. Libertad Digital「Lo que se sabe del accidente de Urda: el AVE impactó contra un Iryo detenido」2026年10月28日. https://www.libertaddigital.com/espana/2026-10-28/lo-que-se-sabe-del-accidente-de-urda-el-ave-impacto-contra-un-iryo-detenido-7483223/ ;OKDIARIO「Qué se sabe del accidente de tren en Los Yébenes y Urda」2026年10月28日. https://okdiario.com/espana/que-sabe-del-accidente-tren-yebenes-urda-que-pasado-causas-numero-victimas-heridos-lineas-cortadas-tren-20647819 ——iryo発表の6076便・乗客146人、AVE2080便、iryo発表の衝突時刻8時48分。 ↩︎ ↩︎

  3. Moncloa.com「García-Page confirma 68 muertos en el accidente de Urda y advierte de que el balance puede subir」2026年10月29日. https://www.moncloa.com/2026/10/29/garcia-page-accidente-urda-muertos-3457449/ ——カスティーリャ=ラ・マンチャ州首相による死者68人の発表と、さらに増える可能性への言及。州内の病院で107人が治療を受けた。州政府による車両別の内訳(AVE側24人、iryo側44人)はCNN en Español「Última hora del accidente de trenes de pasajeros en España」2026年10月28日. https://cnnespanol.cnn.com/2026/10/28/espana/live-news/accidente-trenes-pasajeros-espana-vivo-trax 。死者数は公開時点の公的発表で再確認が必要。 ↩︎

  4. ABC News「'Inexplicable' order probed as cause of train crash that killed at least 68: Official」2026年10月28日. https://abcnews.com/International/10-killed-train-collision-high-speed-line-spain/story?id=137633323 ;El Constitucional(英語版ライブ)2026年10月28〜29日. https://www.elconstitucional.es/en/live-renfe-ave-train-and-an-iryo-company-train-collide-between-the-towns-of-yebenes-and-urda-toledo_74_126.html ——運輸相の予備的説明と、技術調査機関が仮説を示すのは時期尚早としている点。 ↩︎ ↩︎

  5. The Objective「Última hora del accidente ferroviario en Urda (Toledo), en directo」2026年10月28日. https://theobjective.com/economia/transporte/2026-10-28/accidente-ferroviario-urda-toledo/directo/ ——LZBの停止によりiryoが8時30分ごろ停止したとする関係者情報。いずれも予備的な報道情報である。 ↩︎ ↩︎

  6. El Español「Las primeras imágenes del interior del Iryo refuerzan la tesis de que el accidente de Adamuz fue por rotura de vía」2026年4月28日. https://www.elespanol.com/invertia/observatorios/movilidad/20260428/guardia-civil-confirma-no-fallos-trenes-iryo-alvia-analisis-cajas-negras-videos/1003744225164_0.html ——CIAFが裁判所に提出した報告(両列車の記録に異常なし、レール破断説)。調査過程の見解であり、最終報告による原因認定ではない。溶接部の書類については同紙2026年3月2日付記事も参照。https://www.elespanol.com/espana/tribunales/20260302/ciaf-comunica-guardia-civil-incongruencias-documentos-soldadura-rota-adamuz/1003744151701_0.html ↩︎

  7. Adif Alta Velocidad「Modernización LAV Madrid-Sevilla」. https://www.adifaltavelocidad.es/modernizacion-lav-madrid-sevilla ——1992年4月21日開業、470.5km、2時間50分。 ↩︎ ↩︎

  8. Adif AV「Informe de Gestión 2024 – Estados de Sostenibilidad」2025年3月, p.9. https://www.adifaltavelocidad.es/documents/34745/10774271/2024_ESTADO_SOSTENIB_ADIF_AV_ESP.pdf ——管理する鉄道網3,981km。 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  9. 同上, pp.9, 23, 25. ——保守と運行管理(交通管理を含む)はAdifへの業務委託(encomienda)として実施。Adif AV本体の従業員249人(2024年)。 ↩︎ ↩︎

  10. CNMC「Informe anual del sector ferroviario 2025」(INF/DTSP/039/26)2026年6月30日, Tabla A2. https://www.cnmc.es/sites/default/files/6703004.pdf ——回廊別の新規ブランド参入日。マドリード〜バレンシアはAvlo 2022年2月21日、OUIGO 2022年10月7日、iryo 2022年12月16日。 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  11. CNMC「La alta velocidad duplicó los viajeros y redujo los precios más de un 40 % desde la liberalización」2026年7月17日. https://www.cnmc.es/prensa/inf-anual-ferro-25-20260717 ↩︎

  12. CNMC、前掲[10:1], Tabla 24. ——2025年の鉄道の対航空機シェア。マドリード〜セビリア93.5%、マドリード〜バルセロナ83.1%。 ↩︎

  13. CNMC「El tren ha captado un total de 4,8 millones de viajeros, que antes viajaban por carretera o en avión, tras la liberalización」(INF/DTSP/091/25)2025年9月22日. https://cnmc.es/prensa/balance-liberalizacion-ferroviaria-2024-20250922 ——社会全体の便益5億390万ユーロ、Adifの純益1億3,330万ユーロ、2024年の定時率(15分未満の遅れ)94%、保守など関連業務への定時性指標の設定勧告。純益の推計は、長期的な設備更新や安全管理に必要な投資が十分だったことまでを示すものではない。 ↩︎ ↩︎ ↩︎

  14. CNMC、前掲[10:2], Tabla 18・Tabla 19. ——長距離高速鉄道(LD AV)の旅客数・供給座席数。CNMCの定義では、平均速度が250km/hに達しないAlviaなどはLD AVに含まれない。 ↩︎ ↩︎

  15. CNMC「La liberalización del transporte ferroviario de viajeros generó un impacto positivo de 578 millones en 2023」(INF/DTSP/031/2024)2024年5月14日. https://www.cnmc.es/prensa/inf-balance-liberalizacion-ferroviario-20240514 ——自由化3回廊の1日1方向あたり本数76本(2019年)→118本(2023年12月)、座席供給60%増、自由化回廊でのAdif AVの線路使用料収入が2019年比1億4,800万ユーロ(52%)増。マドリード〜セビリア線単独の本数ではない。 ↩︎ ↩︎

  16. Forbes España「El tráfico ferroviario sube un 10% en 2023 hasta un récord histórico y supera los niveles prepandemia」. https://forbes.es/?p=401393 ——Adif交通統計による、マドリード〜アンダルシア回廊の2023年の交通量の前年比24.3%増。Adif AVのマドリード〜セビリア線紹介ページにも同じ値が掲載されている。 ↩︎

  17. Crónica Económica(Adif交通統計の報道). https://cronicaeconomica.com/?p=59891 ——2024年のマドリード〜アンダルシア高速線の交通量18.5%増、Adif AV網全体の交通量7.9%増。 ↩︎ ↩︎

  18. CNMC、前掲[10:3], Tabla 3・Tabla 4, pp.12–13. ——Adif内部の業務列車を除く列車キロ。14号軸26,225,777列車km(全体の12.7%、前年比11%増)、010号線21,134,824列車km(前年比20%超増)。 ↩︎ ↩︎ ↩︎

  19. CNMC、前掲[10:4], p.32. ——2025年、マドリード〜コルドバ間で1日100本を超える運行。 ↩︎ ↩︎

  20. Adif AV、前掲[8:1], p.12および注18. ——2024年の総列車キロ8,531万km。線路使用料の対象となる列車キロに加え、Adif AVの保守用など収入を生まない内部列車を含む。 ↩︎ ↩︎

  21. 東海旅客鉄道「2019年3月期 決算説明会」. https://company.jr-central.co.jp/ir/investor-meeting/2019/_pdf/settlement05.pdf ——のぞみ12本ダイヤの実現策(N700Aタイプへの車種統一、ATCブレーキ改良、駅設備改良・清掃作業の見直し、電力設備改良、運行管理システム改良)。2018年度の東海道新幹線の運転本数1日平均373本。 ↩︎ ↩︎

  22. トラベル Watch「東海道新幹線、ダイヤ改正後『のぞみ』は1時間に最大13本運転」2026年3月12日. https://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/2092600.html ——JR東海の発表(2025年12月12日)は「2026年3月ダイヤ改正について」https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000044803.pdf ↩︎

  23. トラベル Watch「新幹線の夜間保守作業」(井上孝司の連載). https://travel.watch.impress.co.jp/docs/series/inoue/1478560.html ——営業列車の時間帯と保守の時間帯の分離、線路閉鎖と送電停止の手続き。 ↩︎

  24. 東海旅客鉄道「新幹線駅 保守用車入換の業務効率化に向けた線路開通システムの導入について」2026年3月4日. https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000044949.pdf ↩︎

  25. Adif AV、前掲[7:1]. ——7億ユーロ超の全面更新、分岐器110基、ERTMSレベル2・デジタル版ASFA・連動装置の更新、夜間保守時間帯での施工と、保守時間帯の延長・片線運転・一時的な速度制限。 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎

  26. Adif AV、前掲[8:2], p.24. ——2024年の主要実績として、マドリード〜セビリア線の軌道回路1,292か所の更新、アトーチャ〜ブラサトルタス間(路線の56%)の連動装置更新。 ↩︎

  27. Adif AV、前掲[8:3], pp.11, 26. ——高速網の保守費用(2022〜2024年、PRIME指標の算定方法に合わせて更新された値)と、既存網の更新・取替・改良投資(IVA込み)。 ↩︎ ↩︎ ↩︎

  28. Adif AV「Informe de Gestión 2025 – Estados de Sostenibilidad」, p.27「Gasto en Mantenimiento y Explotación」. 掲載ページ:https://www.adifaltavelocidad.es/sobre-adif-av/transparencia/informacion-economica /PDF:https://www.adifaltavelocidad.es/documents/34745/10774271/2025_ESTADO_SOSTENIB_ADIF_AV_ESP.pdf/d22297ba-a969-14ee-af4a-91ecafec9955?download=true&t=1779965244602&version=1.1 ——新しい算定方法による2023〜2025年の保守費用(過年度修正後)を掲載。資料の所在は公式サイトで確認したが、本稿執筆時点で原本を再取得して数値を照合できなかったため、本文では数値を用いていない。 ↩︎

  29. CNMC、前掲[10:5], Tabla 21. ——2025年、アンダルシア方面の回廊で線路使用料は事業者の総コストの38%。 ↩︎

  30. Adif AV、前掲[8:4], pp.13–14, 24. ——建設部門のリスクとして経験ある技術者の不足、運行管理部門のリスクとしてAdifと請負会社双方の資源不足、多数の工事の同時進行による人員確保と資材調達の困難。 ↩︎

  31. Forbes España(Europa Press配信)「Adif recupera esta semana la doble vía del AVE Sevilla-Madrid a su paso por Córdoba」. https://forbes.es/ultima-hora/351033/adif-recupera-esta-semana-la-doble-via-del-ave-sevilla-madrid-a-su-paso-por-cordoba/ ——ビジャヌエバ・デ・コルドバ〜Adamuz間の高架橋9か所の更新、単線区間に合わせたRenfe・iryoとの運行時刻の調整、作業員の安全のための120km/h制限。 ↩︎

  32. CNMC「Las incidencias en la red ferroviaria redujeron la oferta y la demanda en el primer trimestre de 2026」(INF/DTSP/038/26)2026年6月29日. https://www.cnmc.es/prensa/informe-trimestral-transporte-ferroviario-20260629 ↩︎

  33. El Constitucional「An Iryo stopped and an AVE at more than 100 km/h: possible failures in several layers of security are being investigated after the Toledo accident」2026年10月28日. https://www.elconstitucional.es/en/national/an-iryo-stopped-and-an-ave-at-more-than-100-km-h-possible-failures-in-several-layers-of-security-are-being-investigated-after-the-toledo-accident_9525_102.html ——LZBの仕組みの説明と、El Mundoの取材として、iryoとAVEが異なる指示を受けていた可能性。後続列車が停止信号を越えて進行を許可されたとするCadena SERの報道も伝えられている(International Business Times UK, 2026年10月28日. https://www.ibtimes.co.uk/spain-toledo-train-crash-red-signal-investigation-1828544 )。 ↩︎ ↩︎

  34. La Moncloa(運輸・持続可能モビリティ省)「Transportes alcanza un acuerdo con los sindicatos ferroviarios para incrementar la inversión en mantenimiento en 1.800 millones y crear 3.650 empleos」2026年2月9日. https://www.lamoncloa.gob.es/serviciosdeprensa/notasprensa/transportes-movilidad-sostenible/Paginas/2026/090226-transportes-acuerdo-sindicatos-ferroviarios.aspx ——Adifの人員2,400人増(2026〜2030年)、Adif AVの保守費用を2025〜2030年に44%増とする新たな財政協定、AESFの50の常設ポスト新設と体制強化、安全管理の共同調整委員会と作業部会(臨時速度制限・気象警報)、インフラ保守用道路車両300台の増強と鉄道保守用車両の更新。 ↩︎ ↩︎

  35. Diari Més「Los sindicatos cierran un acuerdo con el Ministerio de Transportes y desconvocan la huelga ferroviaria」2026年2月9日. https://www.diarimes.com/es/actualidad/260209/sindicatos-cierran-acuerdo-ministerio-transportes-desconvocan-huelga-ferroviaria_208374.html ——合意によるストライキの取り下げ。同紙が伝える「2つの副総局の新設」は政府発表に記載がないため、本文では採用していない。 ↩︎