LingOrm「THE WORLD BETWEEN US」とは何か(1)——ファンコンからコンサートへ
What Is LingOrm's "THE WORLD BETWEEN US"? (1) — From Fancon to Concert
著:霧星礼知(min.k)|mncc.info / Author: Reichi Kirihoshi (mncc.info)
LingOrm特集|THE WORLD BETWEEN US
本記事は、全4章予定の連載「LingOrm『THE WORLD BETWEEN US』をめぐる旅」の一部です。
1. 俳優二人がアリーナでコンサートを開く
2026年10月17日と18日、バンコク近郊ノンタブリー県のIMPACT Arena(インパクト・アリーナ)で『LINGORM THE WORLD BETWEEN US CONCERT』が開かれた。開演は両日とも16時。チケットはVIPルーム席の8,800バーツから1,800バーツまで10段階に分かれ、会場の公式イベントカレンダーには、主催者の連絡先としてChannel 3(BEC/Ch3Thailand)が記されている。その分類は「คอนเสิร์ต(コンサート)」である[1]。
チケットは9月5日にThaiTicketMajorで発売された。発売前日の告知で、同社はこの公演を「本格的な大型コンサート(คอนเสิร์ตใหญ่เต็มรูปแบบ)」と紹介している[2]。
その舞台に立ったのは、リンリン(Lingling Kwong)とオーム(Orm Kornnaphat)の二人である。第1章で見てきたとおり、二人はChannel 3のGLドラマ『The Secret of Us』『Only You』で知られる「LingOrm」というユニットからなる俳優で、歌手としてデビューしたわけではない。
実は、二人は前年の2025年11月8日にも、同じIMPACT Arenaで公演を開いている。そのタイトルは『HER & HERS LINGORM 1st FANCON』だった[3]。会場も出演者も同じで、一年後に「FANCON」が「CONCERT」にジャンルが変わった。この変更について、主催者側の説明は見当たらない。
筆者は2026年のD1(初日)を現地で観た。本節では、二つの公演の演目と演出を記録として並べ、名称の違いが中身のどんな違いに対応しているのかを考えてみようと思う。
2. ファンミーティング、ファンコン、コンサート
まず、三つの呼び方を整理しておく。以下は説明のための類型で、業界で統一された定義があるわけではない。
| 形式 | 企画の中心 |
|---|---|
| ファンミーティング | 出演者とファンの交流。トーク、ゲーム、質問コーナー、客席参加型の企画 |
| ファンコンサート(ファンコン) | 交流企画と、歌やダンスなどのパフォーマンスの組み合わせ |
| コンサート | 歌、ダンス、舞台演出などのパフォーマンス |
会場の規模だけではこの三つを区別できない。2025年のファンコンも2026年のコンサートも、同じIMPACT Arenaで行われている。会場側がイベントを「コンサート」に分類することと、公演名に「FANCON」が付くことも矛盾しない。
LingOrmの活動では、この三つは並行している。2026年だけを見ても、2月にはシンガポールで『LingOrm Only Love Fan Meeting in Singapore 2026』が開かれ[4]、コンサートの発表前にはコンケン、プーケット、チェンマイを回る『LINGORM Thailand FAN MEETING TOUR 2026』が行われた[5]。ファンミーティングがなくなって、コンサートに置き換わったわけではない。どの形式を、どの都市で、どの規模の会場に割り当てるかという組み合わせの中に、二つのIMPACT Arena公演があるのである。
3. 2025年『HER & HERS』
『HER & HERS LINGORM 1st FANCON』は、2025年7月のファンミーティングの場で、年末にIMPACT Arenaでファンコンを開くと予告されていた[6]。当日はChannel 3の配信サービス3Plusで有料ライブ配信も行われ、チケットは一般1,099バーツ、プレミアム会員799バーツだった[3:1]。
内容は、Channel 3の親会社BEC Worldが配信した公演後のプレスリリースで、おおよそ追うことができる[7]。オープニングは「Dance The Night」と「Déjà Vu(เดจายู)」。そのあと司会のDJヌイ(ดีเจนุ้ย ธนวัฒน์)が登場し、二人が互いの答えを当て合うゲーム「LINGORM TELEPATHY」が行われた。続いてゲストのガルフ(กลัฟ คณาวุฒิ)、リンリンのソロ、INK WARUNTORN(インク・ワルントーン)との共演、オームのソロ、NuNew(ヌーニュー)との共演、Channel 3のGL俳優陣による演目と、歌とダンスのステージが続く。リンリンは羽根を手に「สาวอีสานรอรัก」を踊り、ハンカチを振る「ผ้าเช็ดหน้า」へつないだ。オームは「ละลาย」と、SNSで広く話題になった「สตอเบอรี่มรกต」を歌った。
後半には、会場とオンラインの観客をカメラでつなぐ「Cam Challenge」があり、ファンクラブ制作の映像(VTR)が流れたあと、二人は花で飾ったゴンドラに乗り、「ถ้าตลอดกาลมีจริงขอให้มันเกิดกับรักครั้งนี้」と「ไม่บอกก็รู้ว่ารัก」で公演を締めた。プレスリリースは、一万を超える座席が埋まったと書いている。
資料A:2025年『HER & HERS LINGORM 1st FANCON』確認できた主要演目
2025年11月8日、IMPACT Arena。プレスリリースの記述順に並べた。完全なセットリストではなく、記述順が実際の演奏順と一致するかも確認できていない。
| 区分 | 曲目・企画 | 出演・備考 |
|---|---|---|
| オープニング | Dance The Night | 出演者の記載なし |
| オープニング | Déjà Vu(เดจายู) | 同上 |
| 交流企画 | LINGORM TELEPATHY | DJヌイ司会。二人の答えを一致させるゲーム |
| ゲスト | กุหลาบ | ガルフ。二人と共に歌唱 |
| ゲスト | ไหวอะเปล่า | ガルフのソロ |
| リンリンのソロ | สาวอีสานรอรัก | 羽根を使ったダンス |
| リンリンのソロ | ผ้าเช็ดหน้า | ハンカチを使ったダンス |
| ゲスト | สายตาหลอกกันไม่ได้ | INK WARUNTORNとリンリン。特別バージョン |
| ゲスト | พบรัก | INK WARUNTORN |
| オームのソロ | ละลาย | |
| オームのソロ | สตอเบอรี่มรกต | |
| ゲスト | รักแท้ยังไง | NuNewとオーム |
| ゲスト | จนนิรันดร์ | NuNewのソロ |
| ゲスト | แฟนจ๋า | Channel 3のGL俳優陣(Lena–Miu、Tan–Yada、Aum–Bam) |
| ゲスト | Hot2Hot | 同上 |
| 交流企画 | Cam Challenge | 会場とオンライン配信の観客をつなぐ企画 |
| 終盤 | 感謝の挨拶、ファンクラブ制作VTR | |
| フィナーレ | ถ้าตลอดกาลมีจริงขอให้มันเกิดกับรักครั้งนี้ | 花のゴンドラ。 |
| フィナーレ | ไม่บอกก็รู้ว่ารัก |
出典:BEC World配信プレスリリース(ThaiPR.net、2025年11月10日)[7:1]。ガルフ、INK、NuNewとの共演曲で二人のどちらが歌ったかは、プレスリリースの段落構成からの判断を含む。
確認できる範囲でも、歌とダンスの演目は16曲あり、うち二人のソロが4曲、ゲストが関わる演目が8曲を占める。2025年の時点で、この公演はすでに大規模な音楽ショーだった。同時に、司会者の進行と二つの交流企画が、公演の中に独立したコーナーとして置かれていたのも特徴的だ。
4. 2026年『THE WORLD BETWEEN US』
筆者が見たDAY1
D1を客席から見た印象を先に書いておく。公演は最初から最後まで、歌、ダンス、舞台演出でつながっていた。2025年のTELEPATHYやCam Challengeにあたるゲームのコーナーはなく、司会者が進行する場面もなかった。トークは曲の合間に二人が話す形で入り、そこはK-POPや日本の歌手のライブに近かった。演出の規模と仕上がりは、筆者がこれまで見てきた日本やK-POPのアリーナ公演と比べても見劣りしなかった。衣装、選曲、舞台装置のあちこちに二人の関係が織り込まれていた。
報道による裏付けもあるが、公演は3時間を超え、二人がロープで舞台中央へ降りてくる演出から始まった[8]。
二人のソロ
リンリンのソロでは、ギターの弾き語りが用意された。D1は「Until I Found You」と「L-O-V-E」、D2は「Fly Me to the Moon」と「Can't Take My Eyes Off You」で、両日で曲を入れ替えている[8:1][9][10]。D1の衣装はロックスターを思わせるもので、ドラマで定着したマニッシュなイメージをそのまま使いながら、楽器という新しい技能を見せる構成だった。ギターの練習にはKru Koy(クルー・コーイ)が関わっており、本人のInstagramには、リンリンが指の痛みに耐えながら練習を重ねたことが記されている[11]。ほかに、重力に逆らうように体を傾ける振付を入れた「Love On Top」、トランポリンを使った「สวยเด้งดึ๋ง」がある[8:2]。
オームは、ボクシングのガウンを羽織ってラップする「One Punch」、Tate McRaeの「Sports Car」を両日歌い、そのほかの1曲を日替わりにした。D1はスノードーム型のセットの中から登場し、ピアノのイントロに続けてBruno Marsの「Risk It All」を歌った。歌いながら涙をこらえきれなかったと報じられている。D2は舞台を浜辺に変え、Sabrina Carpenterの「Go Go Juice」を歌った[8:3][10:1]。
二人のソロは、方向がそれぞれ違う。リンリンは弾き語りと身体を使った見せ場、オームはラップからバラード、ポップまでの歌い分けで構成されている。それぞれが、「格好いいリンリン」「優雅なオーム」という既存のキャラクター像の延長にありながら、ドラマの役では見せる機会のない技能を舞台に出していた。
客席の反応
D1では、リンリンが弾き語りの途中で歌詞が飛んでしまい、ハミングで済ませる場面があった。客席には穏やかな笑い声が広がり、そのまま見守る空気になった。観客が楽しんでいたのは演奏の出来だけではなく、リンリンがアーティストのようにギターを抱えて歌っている姿と、その場の世界観全体だったように思う。
公演は本格的な舞台作品として作られていた一方で、客席と二人の間にはファンダム特有の親しさが残っていて、両者はぶつかっていなかった。
これらの場面の詳細は第3章で書く。
5. 2026年D1・D2のセットリストと日替わり演出
D1とD2は同じ32曲構成だが、ゲスト、ソロ、終盤の一部が入れ替わっている。以下の二つの表は、公演当日に投稿されたセットリスト[9:1][10:2]をもとに、報道[8:4][12]と照合して作成した。非公式の記録であり、公式の完全セットリストは確認できていない。原題と原曲アーティストは投稿の表記を基本とし、公式の表記を確認できたものはそれに合わせた。注記欄のTalk・VCR・ギター・ピアノのイントロ・写真撮影・ファンプロジェクトは、同じ投稿の記載によるものだ。
資料B-1:D1(2026年10月17日)
| # | 曲目 | 原曲 | 出演 | 注記 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | Dracula | Tame Impala, JENNIE | LingOrm | |
| 2 | ROCKSTAR | LISA | LingOrm | Talk |
| 3 | Bad Angel | Anyma, LISA | LingOrm | |
| 4 | สวรรค์ชั้น 7 | J Jetrin | LingOrm | VCR |
| 5 | Love On Top | Beyoncé | リンリン | |
| 6 | One Punch | MILLI | オーム | |
| 7 | ณ บัด Now | Bie Sukrit | オーム、GELBOYS | |
| 8 | เลิกกั๊กแล้วรักก่อน | GELBOYS | 英題「Red Flag」はファン記録の表記 | |
| 9 | Until I Found You | Stephen Sanchez | リンリン | ギター |
| 10 | L-O-V-E | Nat King Cole | リンリン | ギター |
| 11 | Risk It All | Bruno Mars | オーム | ピアノのイントロ |
| 12 | ขี้แง(Boys Don't Cry) | PROXIE | LingOrm | Talk |
| 13 | Magnetic | ILLIT | LingOrm、LOLO、Butterbear、Bianca | |
| 14 | น่ารักมั้ยไม่รู้ | Butterbear | Butterbear、Bianca | |
| 15 | หล่ออนิเมะ | NEW CHAYAPAK | LingOrm | オームのTalk、VCR |
| 16 | NOBODY | Wonder Girls | リンリン、オート、ポップ | 英語版(@daaachi_KYOの記録による) |
| 17 | คะนึงนิด(MISSING) | Oat Pramote, Pop Pongkool | オート、ポップ | |
| 18 | สวยเด้งดึ๋ง | May Fuangarom | リンリン | VCR |
| 19 | T2T | TIMETHAI, BamBam | LingOrm | |
| 20 | Sports Car | Tate McRae | オーム | |
| 21 | หวานใจผมน่ารักกว่าใคร | Reinizra | LingOrm | VCR |
| 22 | เจ็บนิด...นิด | Ya Ya Ying | LingOrm、ボウ・メーラダー | Talk |
| 23 | เกินต้าน | PiXXiE | ボウ・メーラダー | |
| 24 | Love Shot | EXO | LingOrm | |
| 25 | MA BOY | SISTAR19 | LingOrm | |
| 26 | ล็อกเป้า(Lock Pao) | DICERED | LingOrm | |
| 27 | I Am the Best | 2NE1 | LingOrm | |
| 28 | TOUCH | BENZKHAOKHWAN | LingOrm | 写真撮影、ファンプロジェクト、Talk |
| 29 | การเดินทางที่สวยงาม | BILLKIN | LingOrm | VCR |
| 30 | ROCKET FESTIVAL(สัญญาเดือนหก) | JOEY PHUWASIT | LingOrm | |
| 31 | โอ้ละหนอ...MY LOVE | Bird Thongchai | LingOrm | |
| 32 | เด็กดอยใจดี | Nong Might Puan Mueang | LingOrm |
出典:@daaachi_KYO(X、2026年10月17日投稿)[9:2]。曲順・曲名・出演者は、Redditに掲載された別のファン作成のセットリスト画像とも一致する[9:3]。この画像には注記欄の進行情報は含まれない。ゲスト名の確認は報道による[8:5][13]。
資料B-2:D2(2026年10月18日)
| # | 曲目 | 原曲 | 出演 | 注記 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | Dracula | Tame Impala, JENNIE | LingOrm | |
| 2 | ROCKSTAR | LISA | LingOrm | Talk |
| 3 | Bad Angel | Anyma, LISA | LingOrm | |
| 4 | สวรรค์ชั้น 7 | J Jetrin | LingOrm | VCR |
| 5 | Love On Top | Beyoncé | リンリン | |
| 6 | One Punch | MILLI | オーム | |
| 7 | หล่ออนิเมะ | NEW CHAYAPAK | LingOrm | LOLOのTalkとパフォーマンス |
| 8 | เริ่มแล้วค่ะ | F.HERO, Hi Arpaporn, GUNNER | LingOrm、アーパーポーン、LOLO | |
| 9 | ชอบไหม | アーパーポーン | VCR | |
| 10 | Fly Me to the Moon | Frank Sinatra | リンリン | ギター、D2で追加 |
| 11 | Can't Take My Eyes Off You | Frankie Valli | リンリン | ギター、D2で追加 |
| 12 | Go Go Juice | Sabrina Carpenter | オーム | D2で追加 |
| 13 | ไม่ได้ก็ไม่เอา | PiXXiE | リンリン、PPクリット | PPクリットと共演。「You Are My Light」も歌唱したとの報道・出演者側の記録あり。2曲を連続して披露した可能性がある。 |
| 14 | เก่งไม่พอ(GOOD (not) ENOUGH) | PPクリット | ||
| 15 | ขี้แง(Boys Don't Cry) | PROXIE | LingOrm | VCR |
| 16 | Sports Car | Tate McRae | オーム | |
| 17 | G.A.Y | オーム、Alie、Badmixy、Babyjolystar | ||
| 18 | Lady London | Alie、Badmixy、Babyjolystar | ||
| 19 | สวยเด้งดึ๋ง | May Fuangarom | リンリン | |
| 20 | T2T | TIMETHAI, BamBam | LingOrm | |
| 21 | ใจฉันตามเธอไป | YOUNGOHM | LingOrm | VCR、D2で追加 |
| 22 | Bad Shawty | PROXIE | LingOrm、ベラ・ラニー | |
| 23 | ดวงใจ | ベラ・ラニー | ||
| 24 | Love Shot | EXO | LingOrm | |
| 25 | MA BOY | SISTAR19 | LingOrm | |
| 26 | ล็อกเป้า(Lock Pao) | DICERED | LingOrm | |
| 27 | I Am the Best | 2NE1 | LingOrm | |
| 28 | TOUCH | BENZKHAOKHWAN | LingOrm | 写真撮影、ファンプロジェクト、Talk |
| 29 | เหตุผลของการมีชีวิตอยู่ คือการได้พบกับเธอ | No One Else | LingOrm | VCR、D2で追加 |
| 30 | ROCKET FESTIVAL(สัญญาเดือนหก) | JOEY PHUWASIT | LingOrm | |
| 31 | โอ้ละหนอ...MY LOVE | Bird Thongchai | LingOrm | |
| 32 | เด็กดอยใจดี | Nong Might Puan Mueang | LingOrm |
出典:@daaachi_KYO(X、2026年10月18日投稿)[10:3]。曲順と出演者は、Redditの公演当日スレッドに投稿されたテキスト記録とも一致する[10:4]。D2のゲストはdaradailyの公演翌日の記事でも確認でき[12:1]、翌々日の同紙記事は両日のゲストを日付別に書き分けている[13:1]。
なお、daradailyは、D2でリンリンとPPクリットが「You Are My Light」と「ไม่ได้ก็ไม่เอา」を歌ったと記している[12:2]。PP Krit Entertainmentも当日の投稿で両曲を「You Are My Light x ไม่ได้ก็ไม่เอา」として紹介しており、ファン撮影の記録も存在する。ただし、参照した32曲のセットリストには「You Are My Light」が独立した曲として記載されていないため、本稿では曲数に加えず、共演場面の補足として扱う。
両日の差分
| 項目 | D1 | D2 |
|---|---|---|
| リンリンのギター | Until I Found You、L-O-V-E | Fly Me to the Moon、Can't Take My Eyes Off You |
| オームの日替わりソロ | Risk It All(スノードーム) | Go Go Juice(浜辺のセット) |
| オーム側ゲスト | GELBOYS(ณ บัด Now ほか) | Alie、Badmixy、Babyjolystar(G.A.Y ほか) |
| リンリン側ゲスト | オート・プラモート、ポップ・ポンクン(NOBODY ほか) | PPクリット(ไม่ได้ก็ไม่เอา ほか) |
| その他のゲスト | LOLO、Butterbear、Bianca(Magnetic ほか)、ボウ・メーラダー(เจ็บนิด...นิด ほか) | アーパーポーン、LOLO(เริ่มแล้วค่ะ ほか)、ベラ・ラニー(Bad Shawty ほか) |
| 中盤の二人の曲 | หวานใจผมน่ารักกว่าใคร | ใจฉันตามเธอไป |
| 終盤のVCR曲 | การเดินทางที่สวยงาม | เหตุผลของการมีชีวิตอยู่ คือการได้พบกับเธอ |
| ゲームコーナー | なし(筆者確認) | 記録なし |
| 司会者による進行 | なし(筆者確認) | 記録なし |
ゲストが単独で歌う曲は両日とも4曲で、残る28曲には二人のどちらか、あるいは両方が出ている。
なお、公演後に配信された報道記事[8:6]は両日の内容を一つの文章にまとめていて、日付の区別が一部はっきりしない。たとえばAlie、Badmixy、Babyjolystarの「G.A.Y」を初日の出来事として書いているが、セットリスト[9:4][10:5]とdaradaily[12:3]はいずれもD2としている。本稿は、D1に参加した著者の記憶との照合で、D2として扱った。
また報道は、アンコールのメドレーを「โอ้ละหนอ…My Love」「สัญญาเดือนหก」「เด็กดอยใจดี」としているが、セットリスト表記では同じ位置に「ROCKET FESTIVAL」がある。これはJOEY PHUWASITの同じ曲で、正式な曲名は「ROCKET FESTIVAL(สัญญาเดือนหก)」である[14]。記録によって英語部分とタイ語部分のどちらかだけが書かれているものだ。
資料C:主要演出の比較
| 観点 | D1 | D2 | 出典 |
|---|---|---|---|
| オープニング | 二人がロープで舞台中央へ降下し「Dracula」「ROCKSTAR」 | 同じ曲構成。降下演出がD2もあったかは報道に日の区別なし | [8:7][9:5][10:6] |
| リンリンのソロの衣装・演出 | ロックスター風の衣装でギター弾き語り(筆者観察)。「สวยเด้งดึ๋ง」でトランポリン | ギター弾き語り。衣装は未確認 | [8:8] |
| オームのソロの衣装・演出 | ボクシングのガウンで「One Punch」。スノードームから登場し「Risk It All」 | 浜辺のセットで「Go Go Juice」 | [8:9] |
| 二人の演目 | 「ขี้แง」で噴水の中のダンス | 未確認(曲は両日共通) | [8:10] |
| ゲスト | 上記差分表のとおり | 上記差分表のとおり | [8:11][9:6][10:7][12:4] |
| トーク | 曲間に5か所(ボウ・メーラダーとのトークを含む) | 曲間に3か所(LOLOとのトークを含む) | [9:7][10:8][15] |
| VCR | 曲間に5か所 | 曲間に5か所 | [9:8][10:9] |
| ファンプロジェクト | 「TOUCH」の前後で写真撮影とファンプロジェクト。ファン団体によるVTRプロジェクトあり | 同じ位置に写真撮影とファンプロジェクト | [9:9][10:10][16] |
| 客席への移動 | 終盤のメドレーで「LOLO」の車に乗って客席を回り、ボールを投げ入れる | 報道に日の区別なし | [8:12] |
| 大型スクリーン、映像、特殊効果の詳細 | 未確認 | 未確認 |
トークとVCRの数は、ファンのセットリストの注記を数えたもので、短い挨拶などは含まれていない可能性がある。
6. 二つの公演の違い
資料を並べると、違いはいくつかの点にまとまる。2025年の資料は報道で確認できた範囲にとどまるため、曲数を単純に比べることはしない。
一つ目は、交流企画の扱いである。2025年にはTELEPATHYとCam Challengeという二つのゲームがあり、DJヌイが司会として進行していた。2026年は両日とも、ゲームのコーナーと司会者の記録がない。客席との交流は、曲間のトーク、ファンプロジェクト、終盤に車で客席を回る演出という形で、曲の流れの中に入っている。
二つ目は、ゲストの使い方である。どちらの年もゲストは多く、その多くが二人と1曲共演したあとに自分の曲を歌う形も共通している。違うのは、2026年はゲストを日替わりにしたことだ。二日間とも同じ骨格を保ちながら、ゲストとソロ曲を差し替えている。
三つ目は、ソロの作り方である。2025年のリンリンのソロは、タイの大衆歌謡を踊りで見せるものだった。2026年はギターの弾き語りという、それまでのイベントにはなかった技能を持ち込み、曲も両日で変えている。オームのソロも、スノードームや浜辺のセットのように、曲ごとに舞台装置が用意された。
四つ目は、公演全体の流れである。2026年は冒頭の4曲、中盤のメドレー、終盤の流れが両日で共通している。そこに日替わりの部分が差し込まれ、VCRとトークで場面がつながれている。全体を一つの構成として設計し、その一部を入れ替えるという作り方は、歌手のツアー公演に近い。
ただ、2025年も16曲以上の歌とダンスを含み、ゲストとの共演やゴンドラのような大型の演出を備えていた。2025年が交流イベントで、2026年から音楽公演になったわけではない。2025年の時点で音楽ショーの比重はすでに大きく、2026年は交流のための独立したコーナーを外して、公演の進行そのものを歌と舞台演出に預けた。名称の違いは、この構成の変化に対応していると読める。
7. 「歌手ではない二人」がコンサートを開くこと
LingOrmが歌手に転身しようとしていると見る材料は、今回の公演にはない。二人は公演中に、四作目となる共演ドラマについて話している[12:5]。主な仕事は今も俳優である。
セットリストを見ると、32曲のほとんどは他の歌手の曲である。K-POP、タイのポップスやルークトゥン、欧米のスタンダードまで幅は広く、二人の持ち歌は中心にない。歌手のコンサートが自分たちの楽曲で構成されるのとは、この点がはっきり違う。曲は二人を見せるための素材として選ばれ、ギターの弾き語り、ラップ、ダンス、舞台装置を使った場面などが、俳優として積んできた見せ方の上に重ねられている。
ここで必要になるのは、演奏や歌の技能だけではない。二日で曲とゲストを入れ替え、32曲を3時間超の公演に組み立てるには、構成、振付、楽器指導、舞台美術の専門職が要る。リンリンのギター指導について伝えられている話は、その制作体制の一端と考えられるが、本稿では裏付けを確認できていない。
D1の歌詞が飛んだ場面に戻ると、完成度を求めた舞台で起きた小さな失敗を、客席は笑って受け入れていた。ファンは完成品だけを見に来ているのではなく、二人が新しいことに挑む過程も含めて見に来ている。 主催者がそこまで計算していたかはわからない。ただ、ファンダムとのこうした関係があるから、俳優二人に本格的なコンサートを任せられるという面はあるだろう。
8. 結び
イベントの名称が変わったことだけでは、公演の変化は説明できない。二つの公演を並べてわかるのは、2025年のファンコンがすでに大規模な音楽ショーだったこと、そして2026年のコンサートでは、交流のための独立した企画が外れ、歌と舞台演出が公演全体を組み立てる原理になったことである。客席との親しさはなくなっておらず、曲の流れの中に置き場所を変えた。
その基盤には、二人の新しい表現を受け止めるファンダムがある。ファン側のアカウントは、二日間とも完売したと伝えている[17]。1万人規模のアリーナを二日続けて埋める観客の中には、筆者のように海外から来た人も多かった。
この公演のチケットを、海外のファンはどうやって手に入れたのか。次節2-2では、チケット争奪戦を扱う。
☕️よかったらコーヒー一杯。 https://buymeacoffee.com/mink_obs
著:霧星礼知(min.k) / リサーチ・構造支援:Claude Opus 5.5、ChatGPT / AI-assisted / Structure observation
For international readers
In October 2026, Lingling Kwong and Orm Kornnaphat — two Thai actors known for their leading roles in Channel 3's GL dramas — held a two-day arena concert, LINGORM THE WORLD BETWEEN US CONCERT, at IMPACT Arena near Bangkok. A year earlier, the pair had performed at the same venue under a different title: HER & HERS LINGORM 1st FANCON.
What distinguishes a fancon from a concert when the performers are actors rather than recording artists?
This article examines that question by comparing the two productions through press releases, Thai entertainment news, fan-compiled setlists, and the author's firsthand observations from Day 1 of the 2026 concert. It documents the confirmed musical numbers and activities from the 2025 fancon alongside the 32-song setlists for both days of the 2026 concert, highlighting changes in guest appearances, solo performances, and stage production.
The 2025 fancon was already a large-scale musical production, featuring solo stages, guest collaborations, audience participation games, and an elaborate flower-gondola finale. In 2026, however, stand-alone fan activities such as "LINGORM TELEPATHY" and "Cam Challenge" were replaced by a continuous sequence of music, dance, and theatrical staging. Fan interaction remained, but was integrated into the concert through onstage conversations, fan projects, and performances that brought the actors closer to the audience.
The two 2026 shows followed a shared structure while featuring different guests and selected solo numbers, including Lingling's guitar performances. Rather than marking a transition from acting to a music career, the concert offered LingOrm a new platform for performance — one that extended their established identities as actors while showcasing skills rarely seen in their drama roles.
The comparison also reveals the distinctive role of fandom: audiences embraced both the sophistication of the production and the performers' visible efforts to take on new challenges.
Keywords
LingOrm, Lingling Kwong, Orm Kornnaphat, THE WORLD BETWEEN US, HER & HERS, fancon, concert, fan meeting, IMPACT Arena, Channel 3, Thai GL, setlist, live performance, fandom
LingOrm、リンリン、オーム、THE WORLD BETWEEN US、HER & HERS、ファンコン、コンサート、ファンミーティング、IMPACT Arena、Channel 3、タイGL、セットリスト、ライブ演出、ファンダム
脚注
IMPACT Arena, Exhibition and Convention Center「LINGORM THE WORLD BETWEEN US CONCERT」イベントカレンダー(タイ語版)。https://www.impact.co.th/th/visitors/event-calendar/concert/lingorm-the-world-between-us-concert?layout=grid (2026年11月2日閲覧)。英語版:https://www.impact.co.th/en/visitors/event-calendar/concert/lingorm-the-world-between-us-concert?layout=grid ↩︎
ThaiTicketMajor公式X、2026年9月4日投稿。https://x.com/ThaiTicketMajor/status/2095768826155532730 (検索結果の抜粋で確認)。公演ページ:https://www.thaiticketmajor.com/concert/lingorm-the-world-between-us-concert.html (2026年11月2日閲覧)。 ↩︎
3Plus(Channel 3)「HER & HERS LINGORM 1st FANCON」ライブ配信チケット案内。https://ch3plus.com/special/page/3plus-LINGORMFanCon2025?lang=en (2026年11月2日閲覧)。 ↩︎ ↩︎
Singapore EXPO「LingOrm Only Love Fan Meeting in Singapore 2026」イベントページ。https://www.singaporeexpo.com.sg/what-s-on/events-expo/LingOrm-Only-Love-Fan-Meeting-in-Singapore-2026 (2026年11月2日閲覧)。 ↩︎
daradaily「“หลิง-ออม” คอนเสิร์ตใหญ่ “LINGORM 'THE WORLD BETWEEN US' CONCERT” ปักหมุด 17 - 18 ตุลาคม 2569 อิมแพค อารีน่า เมืองทองธานี」LINE TODAY配信、2026年8月。https://today.line.me/th/v3/article/ML7gYvz (検索結果の抜粋で確認)。 ↩︎
ข่าวสด(Khaosod)「บรรยกาศสุดฟิน “หลิง – ออม” ในงานแฟนมีต “Only You, Only Us, Only Now! Fan Meet” … ประกาศเซอร์ไพรส์ FANCON เจอกัน อิมแพ็ค สิ้นปี!」2025年7月20日。https://www.khaosod.co.th/entertainment/news_9856488 。LINE TODAY配信版:https://today.line.me/th/v3/article/gzYxr0m ↩︎
「“หลิง–ออม” ระเบิดความฟินสนั่นอิมแพ็ค! “HER & HERS LINGORM 1st FANCON” แรงทะลุเทรนด์ X อันดับ 1!」ThaiPR.NET、2025年11月10日(出典表記:บีอีซี เวิลด์=BEC World)。https://www.thaipr.net/entertain/3663097 (2026年11月2日閲覧)。แนวหน้า(Naewna)にも同文が掲載されている(https://www.naewna.com/entertain/927182 )。同じプレスリリースに由来するため、独立した二つの裏付けとは扱っていない。なお、プレスリリースでは「ถ้าตลอดการมีจริง」と記されているが、原曲の正式名称は「ถ้าตลอดกาลมีจริงขอให้มันเกิดกับรักครั้งนี้」(mintchyy × marr team)。本稿では原曲の表記に統一した。 ↩︎ ↩︎
「[ประมวลภาพ] สมมงตัวแม่! LINGORM THE WORLD BETWEEN US CONCERT แขกรับเชิญจัดเต็มแน่นเวที」workpointTODAY、2026年10月24日。https://www.workpointtoday.com/news-817598-2 (2026年11月2日閲覧)。TrueID Entertainment(Waterbee)「"หลิง-ออม" จัดเต็มคอนเสิร์ตแรก แขกรับเชิญจัดเต็มแน่นเวที」2026年10月19日(https://entertainment.trueid.net/detail/mzw7dEg6Bpkz )にも同文が掲載されており、共通のプレスリリースに由来すると考えられる。両日の内容が一つの文章にまとめられ、日付の区別が明示されていない箇所がある。 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎
daaa.chi(@daaachi_KYO)「261017 LingOrm Concert - The World Between Us - Day.1《Set List》」X、2026年10月17日。https://x.com/daaachi_KYO/status/2111465316056510891 (検索結果の抜粋で全32曲を確認)。ファンによる非公式記録。同日のセットリスト画像:r/LingormAsylum「The World Between Us - Day 1 Setlist」(Reddit、https://www.reddit.com/r/LingormAsylum/comments/1x8q9bq/the_world_between_us_day_1_setlist/ )。画像の元投稿として https://x.com/garicker/status/2111433547030634543 が紹介されている。Redditの掲載とX投稿は同じ画像の可能性があり、一つの記録として扱った。筆者照合。 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎
daaa.chi(@daaachi_KYO)「261018 LingOrm Concert - The World Between Us - Day.2《Set List》」X、2026年10月18日。https://x.com/daaachi_KYO/status/2111800932728267135 (検索結果の抜粋で全32曲を確認)。D2で新たに加わったLingOrmの曲に印が付けられている。ファンによる非公式記録。r/LingormAsylum「The World Between Us D2 Concert post」(Reddit、https://www.reddit.com/r/LingormAsylum/comments/1x8yz13/the_world_between_us_d2_concert_post/ )のテキスト記録とも一致する(筆者照合)。両者は同じ情報の転載である可能性があり、独立した観察記録とは扱っていない。 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎
Kru Koy(@krukoyzz)、Instagram投稿「เก็บตก」、2026年10月24日。https://www.instagram.com/p/De3_GGcTLcS/ 。リンリンがギターを練習する様子を収めた動画を掲載。キャプションでは、練習中に指が痛くなったことや、リンリンの努力、忍耐、練習への取り組みについて述べている(2026年11月2日確認)。 ↩︎
daradaily「สุดประทับใจ! “หลิง-ออม” คอนเสิร์ตใหญ่ “LINGORM 'THE WORLD BETWEEN US' CONCERT” สนุกจัดเต็ม」2026年10月19日。https://www.daradaily.com/news/165753/read (2026年11月2日閲覧)。D2のゲストと演目、出演者のX投稿、共演ドラマ四作目への言及。 ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎ ↩︎
daradaily「ยึดอิมแพคฯ!! “หลิง-ออม” เสิร์ฟฉ่ำคอนเสิร์ฟใหญ่ทัพแฟนคลับสุดภูมิใจเติบโตไปอีกขั้น」2026年10月20日。https://ftp.daradaily.com/news/165780/read (2026年11月2日閲覧)。2026年10月17日・18日の公演について、DAY 1とDAY 2を分けてゲスト出演者を記載。D1にはGELBOYS、Oat Pramote、Pop Pongkool、Butterbear、Bianca、LOLO、Bow Maylada、D2にはPP Krit、Bella Ranee、Hi Arpaporn、Mix Chalermsi、Toon Hiewhee、Babyjolystarを挙げる。また、D1のリンリンによる「สวยเด้งดึ๋ง」とギター演奏にも言及している。完全なセットリストや曲順を掲載した記事ではない。 ↩︎ ↩︎
แนวหน้า(Naewna)、JOEY PHUWASITの番組出演を報じた記事(曲名を「ROCKET FESTIVAL (สัญญาเดือนหก)」と表記)。https://www.naewna.com/entertain/757579 (検索結果の抜粋で確認)。公式音源:https://www.youtube.com/watch?v=tqaqvbcPspo (筆者確認)。 ↩︎
LingOrm CH3 Official(@LingOrmCH3)X、2026年10月17日投稿(ボウ・メーラダーの出演について)。https://x.com/LingOrmCH3/status/2111464215626301612 (検索結果の抜粋で確認)。 ↩︎
LingOrm_BaseHouseによる「LingOrm The World Between Us Concert Special VTR Project [Day-1]」の映像を紹介するThreads投稿。https://www.threads.com/@deweiikizz/post/DemShakCeIr/ (検索結果の抜粋で確認)。 ↩︎
LingOrm_BaseHouse(@LingOrm_BH)X、2026年10月18日投稿。アカウント表示名に「อิมแพค 2 รอบ Sold Out」とある。https://x.com/LingOrm_BH/status/2111877843173154948 (検索結果の抜粋で確認)。ファン団体による表示で、主催者の発表は未確認。 ↩︎